除草剤汚染がもたらす環境への影響
除草剤は不要な植物を除去するために使用されますが、選択的除草剤であっても環境へ深刻な影響を及ぼすことがあります。農家は作物の生育を促進しつつ、競合する雑草を除去するために除草剤を散布しますが、その化学成分は水質・土壌・生物多様性に悪影響を与えることがあります。
水質汚染
降雨や灌漑により除草剤は植物から洗い流され、分解に時間がかかるため湖や川、池などの水域へ流れ込みます。水中の植物や動物は除草剤により中毒し、食物連鎖を通じて海へと拡大します。高濃度の除草剤が蓄積した海洋生物では奇形や大量死が報告されています。
土壌汚染
除草剤は作物の上空から散布されることが多く、正確な投下が難しいため周辺の土壌にも付着します。その結果、除草剤が土壌中に蓄積し、そこに生息する植物、昆虫、両生類に悪影響を与えます。感受性の高い動物は中毒死し、いくつかの植物種は生育不良や死滅に至ります。
動物個体数への影響
除草剤で特定の植物が減少すると、食料や隠れ家として利用していた野生動物の数が減少します。その空白を埋めるように外来種や雑食性の動物が増加し、食物連鎖全体で個体数のバランスが崩れます。
健康へのリスク
除草剤の蓄積は遺伝子変異や各種疾患と関連しています。非ホジキンリンパ腫や前立腺がんなどのがんリスクが上がり、ヒトの母乳中にも除草剤が検出されています。アトラジンはオスのカエルを雌に変化させ、ラウンドアップはカエルやオタマジャクシを致死させます。
