屋内大気汚染がもたらす長期的健康影響

建物内部の空気には、健康に有害なガスや粒子が含まれることがあります。これらの汚染物質は時間とともに、そこで過ごす人の健康に悪影響を及ぼします。代表的な粒子は煤(すす)やほこり、問題となるガスは木材ストーブや灯油ストーブから発生する一酸化炭素、自然に存在する放射性ガスのラドンなどです。閉ざされた空間ではこれらのガスが蓄積しやすく、十分な換気が環境衛生の鍵となります。米国環境保護庁(EPA)は2011年以降、室内空気汚染物質の安全基準策定に向けた研究を進めています。

呼吸器系疾患

  • 呼吸器は外部から空気を取り込むため、汚染された空気の影響を最も受けやすいです。タバコの煙などの室内汚染物質は、喘息などのアレルギーを誘発します。

    ほこりなどの粒子は気道に入り、通常はくしゃみや気管支の毛(繊毛)によって除去されますが、汚染が激しい環境ではこの防御機能が低下し、結果として気管支炎や肺炎を引き起こすことがあります。

がん

  • 粉塵が多い空気やラドン濃度が高い住宅は、特に肺がんのリスクを高めます。また、住宅内の断熱材などに含まれるアスベストも発がん性の室内汚染源です。

乳幼児への影響

  • 喫煙がある家庭で育つ乳児は、受動喫煙により乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高まります(米国国立がん研究所)。カリフォルニア州保健局は、胎児も汚染された空気の影響を受けやすいと指摘しています。妊婦が高濃度の一酸化炭素や粒子状物質を吸入すると、先天性心疾患や胎児発育不全(胎児の成長制限)などのリスクが増加します。

心血管疾患

  • 室内空気中に粒子濃度が高い環境で生活すると、心臓病の発症リスクが上昇します。2004年に米国心臓協会が『Circulation』誌で発表した研究によれば、汚染された空気の吸入は心筋梗塞や不整脈の原因となり得ることが示されています。

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