細菌は錆の生成に影響するか?

近年の研究で、タイタニック号の残骸を覆う錆を食べる新種の細菌 Halomonas titanicae(ハロモナス・ティタニカエ) が発見されました。この細菌は錆そのものを腐食させるわけではなく、すでにできた錆をエネルギー源として利用しています。その結果、今後20年でタイタニック号は錆の山に埋もれ、姿を消す可能性が高まっています。

錆の生成プロセス

錆は鉄が酸素・水・電解質(塩分)と反応してできる酸化鉄(Fe₂O₃)のことです。化学式で表すと次のようになります。

2Fe + 2H₂O + 3O₂ → 2Fe₂O₃(錆) + 2H₂O
#は下付き文字を示します。

錆のエコシステム

錆の表面は微小な生態系を形成し、数十種もの細菌が共存しています。タイタニック号の残骸からは27種の細菌が確認されており、鉄をエネルギー源とする細菌が硫黄化合物を生成します。この硫黄化合物は別の硫黄代謝細菌により分解され、硫化水素(H₂S)を放出します。硫化水素は腐った卵のような臭いの原因です。

錆生成における細菌の役割

細菌は錆そのものを直接作り出すわけではありませんが、錆の進行を促進します。細菌は鉄を食べて酸化鉄を排泄し、金属表面を腐食させます。また、代謝過程で熱を放出し、周囲の温度上昇やpH低下(酸性化)を引き起こすため、錆が形成しやすい環境が整います。

鉄細菌に関連する問題点

鉄を代謝する細菌は土壌や海水・淡水に広く分布しています。特に井戸水に鉄が多く含まれる場合、これらの細菌が急速に増殖し、酸っぱい味と嫌な臭いが生じます。飲用には安全でも、見た目がオレンジ色のスラッジ(泥状物)が出ることが典型的なサインです。

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