ビニール袋がもたらす影響とは?
ビニール袋は長年、食料品の袋や商品の梱包に使われてきましたが、環境への負荷や安全面での問題が指摘され、使用を中止する企業も増えています。多くの袋には使用時の危険性が警告として印刷されており、世界の一部地域では使用自体が禁止されています。
窒息の危険
ほとんどのビニール袋には「小さな子どもが袋に触れないように」という警告が付いています。子どもは遊びの最中に袋を頭にかぶせてしまうことがあり、袋が気道を塞いで呼吸ができなくなる窒息事故が起きます。米国消費者製品安全委員会のデータによれば、毎年約25人の子どもがビニール袋による窒息で死亡しており、その90%は1歳未満です。幼い子どもがいる家庭では、ビニール袋を一切置かないことが安全対策となります。
野生動物への影響
軽くて風に乗りやすいビニール袋は海や河川に流れ込みやすく、海洋生物が誤って食べてしまうケースが多く報告されています。袋が完全に飲み込めない場合、気道が塞がれ窒息死するほか、消化できずに体内に残り慢性的に苦しむことになります。また、袋に絡まって泳げなくなり餓死する動物や、体に巻きついて怪我を負う動物もいます。
石油依存
ビニール袋は主に石油由来のポリエチレンで作られています。米国では石油の多くを輸入に頼っており、供給国の政治的・経済的不安定さが油価上昇につながり、国内経済に悪影響を及ぼします。ビニール袋の使用量が減れば、輸入石油への依存度も下がります。例えばウォルマートは、世界中の店舗でビニール袋の配布を削減し、再利用袋の利用やリサイクルを促進することで、年間約678,000バレル相当の石油消費と二酸化炭素排出を削減できると見込んでいます。
分解の遅さ
廃棄されたプラスチックは時間とともに劣化しますが、完全に分解されるまでに数百年かかります。分解過程では生分解ではなく光分解が主で、微細なプラスチック粒子(マイクロプラスチック)に変わります。これらの粒子は有害物質を吸着しやすく、土壌や水源、さらにはそれらを摂取した動植物にまで汚染を拡大させます。
リサイクルの課題
ビニール袋はリサイクルすれば問題が解決すると考える人もいますが、実際にはリサイクルコストが新たに製造するコストを上回ります。そのため、多くのメーカーはリサイクルよりも新規生産を選択します。さらに、一般的な家庭用リサイクル箱に投入しても、回収・再処理ができないケースが多く、実際にリサイクルされる割合は極めて低いのが現状です。
