ダースバン(Dursban)の影響とリスク
ダースバンは、ダウ・アグロサイエンス(Dow AgroSciences LLC)が製造する殺虫剤で、ダウ・ケミカルの子会社です。クロルピリホスという有機リン系農薬を有効成分とし、30年以上にわたり使用されています。かつては家庭用にも販売されましたが、2000年に禁止され、現在はブドウ、リンゴ、イチゴなどの大規模農場で使用が続いています。
直接的な化学物質への曝露
EPAによると、ダースバンの有効成分であるクロルピリホスは神経系に影響を与え、めまい、吐き気、混乱を引き起こすことがあります。大量にこぼれた場合は呼吸器系の麻痺や最悪の場合死に至る恐れがあります。
地下水からの曝露
国立環境衛生センターによれば、有機リン系農薬は作物に散布された後、土壌や植物に付着し、地下水へ流れ込むことがあります。農業地域に住む人々は、汚染された地下水を通じて農薬に曝露するリスクがあります。
食品からの曝露
2010年6月号『Pediatrics』誌の研究では、リンゴやセロリ、イチゴ、ブルーベリーなどの日常的に食べる食品に含まれる農薬に曝露された子どもは、注意欠陥多動性障害(ADHD)のリスクが高まることが示されました。研究対象の1,139人の子ども(8〜15歳)の尿中に有機リン系農薬が検出され、ADHDと診断された子どもでその濃度が高い傾向が見られました。
野生生物への影響
国立農薬情報センターによると、クロルピリホスは魚類や鳥類、ミツバチ、ミミズなどに有害です。カラス、ハト、マガモ、コマツグミが特に影響を受け、マガモの繁殖率低下や雛の健康障害、コマツグミの死亡が報告されています。
以上のように、ダースバンは人間の健康や環境に対して多方面のリスクを抱えており、使用の管理と代替手段の検討が求められています。
