廃水におけるアンモニア除去の手順
概要
アンモニアは廃水処理施設で微生物の増殖に必要な栄養素ですが、過剰になると処理効率が低下します。特に温度が55℃以下になると硝化細菌の活動が抑制され、アンモニアが蓄積しやすくなります。本稿では、過剰アンモニアを安全に除去するための必要な資材と具体的な手順を紹介します。
必要なもの
- 防水シート(大型タープ)
- 硝化細菌(Nitrosomonas または Nitrobacter)
- アンモニア/pH 検査キット
- ガラスビーカー
手順
防水シートで廃水全体を覆います。産業規模の場合は、専用設計のカバーを使用してください。
アンモニアの形態を確認します。NH₄⁺(無毒)かNH₃(有毒)かを検査キットで測定し、センサーを水中に浸したまま15分待って結果を読み取ります。NH₃が検出された場合は曝気と硝化で除去し、NH₄⁺のみであれば処理は不要です。
水面積を広げ、硝化細菌が増殖しやすい環境を作ります。
硝化細菌を濃縮した培養液を廃水に投入します。代表的な菌株はNitrosomonas と Nitrobacterで、アンモニア(NH₃)を亜硝酸塩(NO₂⁻)に変換します。市販製品としては、低温向けの「Aquafix VitaStim Polar Blend」や、温暖・高温向けの「VitaStim」などがあります。
曝気時間を延長し、汚泥生成を抑えつつアンモニア濃度を低減させます。
水中の溶存酸素濃度を上げます。最低でも2 mg/L(mg/L)以上が硝化に必要とされています。
pH を 7.2〜8.0 の範囲に維持します。これが硝化細菌にとって最適な環境です。
アルカリ度を 70 mg/L 以上に保つため、必要に応じて水1リットルあたり70 mg の水酸化ナトリウム(NaOH)を添加します。処理前の pH は約9.5 が目安です。
可能であれば、入口水のアンモニア濃度を測定し、近隣の産業プロセスが影響していないか確認します。24時間の合成サンプルを採取すれば、全体の傾向を把握できます。
まとめ
上記の手順と適切な資材を組み合わせることで、廃水中の過剰アンモニアを効果的に除去できます。温度や酸素濃度、pH といった環境条件を管理しながら、硝化細菌を活用することがポイントです。
