人工芝がもたらす健康リスクと問題点
学校や大学、自治体の多くがメンテナンスが楽で環境に優しいと謳う人工芝を導入していますが、実際にはさまざまな健康リスクが指摘されています。以下では、主な問題点をまとめました。
鉛 (Lead)
10年以上前に設置された古い人工芝には、鉛が高濃度で含まれているケースがあります。ニューヨーク州とニュージャージー州では、子どもの安全を考慮し、6ヶ所のフィールドが閉鎖されました(2008年5月、USA Today「Artificial Turf: Health Hazard」)。
リサイクルタイヤゴム (Recycled Tire Rubber)
近年の人工芝では、タイヤのリサイクルゴム(クラムラバー)をインフィル材として使用しています。このクラムラバーには、亜鉛、ヒ素、鉛、クロム、カドミウムなどの有害金属や、発がん性物質である多環芳香族炭化水素(PAH)が含まれています。さらに、時間とともに分解し、揮発性化学物質を放出。ニュージャージー州労働環境評議会は、これらの化学物質が地下水へ浸出する恐れがあると警告しています(「Be Aware of Artificial Turf Hazards」)。
高温 (Heat)
人工芝は熱を蓄えやすく、夏場には表面温度が摂氏65度(華氏150度)に達することがあります。このような高温になると、選手はもちろん、一般の利用者や家庭の庭でも使用が困難になります。
皮膚の擦り傷 (Skin Abrasions)
人工芝の繊維は硬く、摩擦により自然の芝生よりも頻繁に皮膚の擦り傷や切り傷が発生します。特にスポーツや子どもの遊びで使用される場合、これらの外傷が日常的に起こります。
寿命の短さ (Limited Life Expectancy)
導入費用は高額ですが、メンテナンスコストが抑えられると期待されています。一方で、人工芝の寿命は約5〜10年と自然の芝生に比べて短く、交換が必要になると再び大きな出費が発生します。
以上の点から、人工芝は見た目の美しさや維持の手軽さだけで選ぶべきではなく、健康リスクや環境影響を総合的に評価することが重要です。
