空気中のアスベストが発生する原因

アスベストの歴史と用途

かつてアスベストは主に断熱材として採掘され、その多用途性からコンクリート、レンガ、配管、暖炉用セメント、酸耐性ガスケット、ブレーキパッド、耐火石膏ボード、床材、屋根材、壁のジョイントコンパウンドなど、さまざまな建築資材や工業製品に使用されました。1950年代には一部のシガレットフィルターにもアスベストが使われていました。

しかし、20世紀後半になってようやくアスベスト曝露の有害性が本格的に認識され、肺がんや中皮腫(胸膜がん)といった致死性の疾患と直接結びつくことが明らかになりました。

空気中にアスベストが飛散する主な原因

採掘作業

アスベスト鉱山は当初、テラス状の露天掘りで行われました。鉱石は爆破解体されて採取されるため、採掘現場や周辺にアスベスト粉塵が大量に拡散します。この粉塵が空気中に漂うことが、最も大きな発生源の一つです。

除去作業

建物や設備からアスベストを除去する際、経験不足の作業員が行うと微細な粒子が空気中に放出されやすくなります。専門家でも完全に粉塵を防げるわけではなく、除去時に生じる破片や粉塵が拡散します。現在、最も効果的とされる方法は除去対象を十分に水で湿らせ、粒子が固まって飛散しにくくすることです。

解体作業

建物の解体前には必ずアスベストの除去が求められますが、作業中に残留粒子が空気中に飛散するリスクは常に存在します。例として、2001年9月11日の同時多発テロで世界貿易センターが倒壊した際、約1,000トンものアスベストがマンハッタンに放出されました。復旧作業に従事した多くの作業員が、以後呼吸器系疾患を訴えています。

自然環境要因

未採掘のアスベスト鉱床は、地質的な侵食や土壌の移動、激しい気象条件により自然に粉塵化することがあります。自然に存在するアスベストの健康リスクはまだ完全には解明されていませんが、潜在的な危険性は無視できません。

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