大気汚染が水に与える影響
水供給の汚染レベルは大気中の汚染レベルと直接関係しています。空中に浮遊する汚染物質は分解せず、他の物質と接触すると化学変化を起こすことがあります。その結果生じる化学物質は、元の物質よりも有害になることがあります。空気中の汚染物質は発生源から何千キロメートルも離れた場所へ運ばれることがあり、自然由来のものもありますが、ほとんどは人為的に排出されています。
汚染物質
大気汚染の主な化学物質は硫黄化合物と窒素化合物です。さらに、水銀、鉛、カドミウム、銅といった重金属や、農薬・除草剤も空中に存在します。硫黄や窒素が大気中に増加する原因の一部は火山噴火など自然現象ですが、ほとんどは化石燃料の燃焼によるものです。大気汚染の全体的な影響を評価するため、米国議会はクリーンエア法を改正し、自然由来・人為的汚染の両方を考慮することとしました。
酸性雨
酸性雨は硝酸と硫酸の含有量が高い雨のことです。これらの酸は直接水に降り注ぐか、土壌に浸透して蓄積されます。降雨が少ない地域では、酸性物質が土壌中の粉塵に付着し、雨が降ると粉塵と混ざって流出し、河川や湖沼へ流れ込みます。酸性雨が地下水に入ると pH が低下し、水生生物にとって致命的な環境となります。また、酸性雨は土壌中のアルミニウムを溶出させ、水中に放出します。アルミニウムは魚類にとって有毒です。
水銀
水銀は自然に存在する元素ですが、廃棄物や石炭の燃焼により大気中へ放出されます。水と結合するとメチル水銀という致死性の形態に変化します。メチル水銀は魚類に蓄積し、魚を食べる生物にも移行します。米国環境保護庁(EPA)によれば、全米50州のうち41州で魚の水銀警告が出されており、ミシガン湖の水銀汚染の80%は大気汚染が原因です。
赤潮(有害藻華)
窒素は適量であれば植物の成長を促しますが、酸性雨などで過剰に水体に流入すると、藻類の増殖が爆発的に進みます。これにより水路が濁り、生態系のバランスが崩れます。特定の藻類は毒性を持ち、藻類を餌とする動物にも直接的な被害を与えます。
影響と結果
一部の植物や動物は酸性水にある程度耐性がありますが、ほとんどの種の幼体は酸性に非常に敏感です。EPAのデータによれば、pH が5になると多くの魚卵は孵化できません。湖沼や河川の酸性化が進むと、そこに生息する魚類や水生植物、動物の数と種類は減少し、場合によっては全く魚がいなくなる酸性湖もあります。
