開発
ユージン・フードリー(1892‑1962)は、フランスの技術者で、最初の触媒コンバータを設計しました。ロサンゼルスで自動車の増加がスモッグの原因と指摘された報告を受け、フードリーは大気汚染の解決策に取り組み始めました。その後、彼は Oxy‑Catalyst 社を設立し、排出ガス抑制装置の開発に注力しました。1953 年に最初の触媒コンバータを完成させましたが、当時の米国の鉛添加ガソリンが触媒を破壊したため実用化はできませんでした。鉛が燃料から徐々に排除されるまで、技術は保留されました。フードリーは 1962 年に亡くなり、自身の発明が世界を変えるとは生前に見られませんでした。
初期の使用
鉛添加ガソリンは 1996 年にクリーンエア法の改正で正式に禁止されましたが、実際のフェーズアウトは 1975 年に始まりました。この年、連邦法で新車に触媒コンバータの装着が義務付けられたのです。カール・D・キース率いるエンジニアチームはフードリーの装置を自動車向けに改良し、三元触媒コンバータ(three‑way catalytic converter)として実装しました。三元触媒は窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素の 3 種類の有害物質を同時に低減でき、従来より高い浄化効率を実現しました。
盗難問題
触媒コンバータは白金、ロジウム、パラジウムといった貴金属を使用して排出ガスを処理するため、金属価格の上昇とともに盗難が深刻化しています。解体業者やディーラー、個人所有車から部品を抜き取る犯罪が頻発し、1 個あたり 75〜150 米ドル(販売先により変動)で取引されています。過去10 年間で貴金属の価格が高騰したことが、盗難件数の増加を後押ししています。
批判
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、触媒コンバータに対していくつかの批判を示しています。触媒は炭化水素系汚染物質の排出は抑制できるものの、二酸化炭素(CO2)の削減にはほとんど効果がありません。CO2 は地球温暖化の主因とされており、触媒はまた、温室効果が CO2 の約 300 倍とされる一酸化窒素(N2O)を微量ながら放出します。
将来の応用
各国の規制が温暖化対策を強化する中、触媒コンバータの改良や新たな排出制御技術の開発が期待されています。水素自動車などの次世代技術は実用化までまだ時間がかかりますが、触媒コンバータは他の浄化手段と組み合わせて大気汚染削減の中心的役割を担い続けるでしょう。
