塩酸を飲み込んだときの影響と緊急対処法
曝露(接触)
塩酸は肥料やプールの消毒剤、はんだ付けフラックス、金属洗浄、実験試薬、食品加工などさまざまな場面で使用されます。日常生活ではプールや農作業現場で目にすることがあります。目がかゆくなったり、咳が出る、鼻が刺激されるといった症状が出たら、空気中の塩酸濃度が危険なレベルに達しています。吸入はすぐにその場から離れるべきです。
症状
塩酸は強い腐食性を持ち、口や喉に即座にやけどを起こします。飲み込むと激しい腹痛、喉の腫れで呼吸困難、胸の痛み、唾液の過剰分泌、発熱、口腔・喉の激痛が現れます。血圧が急激に低下し、嘔吐時に血が混じることもあります。米国国立医学図書館の調査では13年で25例の飲み込み事故が報告され、うち48%が死亡、手術で救命した例もあります。長期的には口腔・食道・胃の広範な損傷が残ります。
対処法
塩酸を飲み込んだらすぐに毒物管理センター(日本の場合は各都道府県の救急センター)または119に連絡してください。嘔吐は推奨されません。意識がはっきりしていて痙攣や嘔吐がない場合は、水や牛乳を少量飲ませて濃度を薄めます。毒物管理センターは24時間体制で無料相談を受け付けています。
病院での処置
救急部ではまずバイタルサイン(血圧、体温、呼吸数、脈拍)を測定し、点滴で体液を補給しながらやけどの処置を行います。喉や気道のやけどは内視鏡(食道鏡)や気管支鏡で確認し、必要に応じて酸素投与や外科的処置が行われます。症状の重症度に応じて抗生物質や疼痛管理も行われます。
その他の影響
塩酸を吸入すると唇が青く変色し、胸部の圧迫感、窒息感、咳嗽、血痰、めまい、血圧低下、頻脈、息切れ、全身の倦怠感が現れます。長期的・頻繁に曝露されると歯のエナメルが侵食され、慢性気管支炎、慢性咳嗽、呼吸困難、皮膚の発疹などが起こります。軽微な曝露でも症状が出ることがあるため、適切な防護具の使用が重要です。
