臨床試験スポンサーの責務
臨床試験の結果は、米国食品医薬品局(FDA)が医薬品の一般使用承認を決定する重要な根拠となります。臨床試験を資金提供する企業は「スポンサー」と呼ばれ、連邦規則集第21章にスポンサーの責務が明記されています。これらの責務は、被験者の安全と健康を確保するために定められています。
研究責任者(Principal Investigator)の選定
- スポンサーは試験開始前に、試験全体を指揮する主要研究者(Principal Investigator)を選定しなければなりません。選定された研究者は、履歴書、試験プロトコルのコピー、連絡先、共同研究者リスト、試験実施施設、IRB(倫理審査委員会)の情報、財務開示、そしてプロトコル遵守の誓約書を提出する必要があります。
- さらに、試験開始前に現場を定期的に訪問し、プロトコル遵守を確認するモニター(Study Monitor)を任命し、契約します。
研究者への情報提供
- 試験開始前に、スポンサーは研究者に対し、対象薬剤に関する過去の研究成果をまとめたブロシュアを提供します。ヒト未使用の場合は、動物実験データを含めます。
- 試験実施中も、モニターから報告された有害事象や異常所見は速やかに研究者へ伝達し、被験者の安全確保に努めます。
モニターの期待事項の明確化
- モニターは試験全期間にわたりスポンサーに報告し、試験開始時には「サイト開始訪問」を実施して、全スタッフに責務を周知させます。
- 施設の設備や試験薬の保管(施錠、温度・光管理)を確認し、定期訪問でプロトコル遵守状況をチェックします。
- モニターからの所見はスポンサーが検討し、試験の修正・中止・継続の判断を行います。
記録の保存
- スポンサーは試験終了後最低2年間、すべての試験記録を保管し、FDAからの要請に応じて提示できる体制を整えます。
- 記録には被験者ごとの投薬経過だけでなく、試験薬自体の受領日、輸送履歴、数量、ロット番号、未使用薬の返却・破棄履歴などが含まれます。
- 未承認薬は適切に管理しなければ被験者に危険を及ぼす可能性があるため、厳重な保管が求められます。
これらの責務を遵守することで、スポンサーは臨床試験の信頼性を高め、被験者保護と規制当局の要求に応えることができます。
