壁側心内膜の定義と概要
機能
American Heritage Medical Dictionary によると、心内膜は心臓の内側を覆う薄い漿膜(液体様の膜)で、上皮組織と結合組織から構成されます。その主な機能は心臓の腔を覆い、弁を保護することです。壁側心内膜(mural endocardium)は、心室や心房の壁表面に限定される心内膜の部分です。
外観
壁側心内膜は、液体が満たされているにもかかわらず、細胞と線維組織が密に詰まった構造です。その見た目は樹木の年輪に似ており、基底部と結合して心臓全体と弁を覆う裏壁を形成します。
危険性
心内膜炎は心内膜の感染症で、既往の心疾患がある人に多く見られます。弁が損傷・破壊される恐れがあるため、早期治療が必須です。歯科治療や外科手術時に血流に細菌が入りやすく、心内膜炎のリスクが高まります。
警戒すべき症状
メイヨークリニックによると、心内膜炎の主な症状は発熱、寒気、心雑音の新たな出現または変化、倦怠感、関節・筋肉痛、夜間発汗、息切れ、蒼白、持続性咳嗽、足・脚・腹部のむくみ、原因不明の体重減少、尿中血液、脾臓の圧痛、オスラー結節(指先の赤く圧痛のある斑点)、点状出血(皮膚・眼球結膜・口腔内の小さな紫斑)などです。
予防・対策
壁側心内膜の感染は稀ですが、特定の心疾患を有する患者は歯科処置前に抗生物質の単回投与が推奨されます。米国心臓協会と米国歯科医師会は、過去に細菌性心内膜炎の既往がある、人工弁や弁修復用人工材料を使用している、弁疾患や心移植歴がある、先天性心疾患がある患者に対し、抗菌薬予防を勧めています。
