古細菌のプロトンポンプに関する情報
はじめに
細胞呼吸の過程で、プロトンポンプはミトコンドリアのマトリックスからプロトンを取り出し、膜間スペースへ放出します。このプロトンの移動によりpH と電位の勾配が形成され、細胞のエネルギー貯蔵(電気化学的ポテンシャル)として機能します。内膜はプロトンが逆流しないように遮断するため、プロトンポンプの作動にはエネルギーが必要です。
古細菌(Archaea)とは
古細菌は原核生物の一群で、形態的には細菌に似ていますが、遺伝子転写や翻訳の機構は真核生物に近い特徴を持ちます。核を持たない単細胞微生物で、極端な環境(高温・高塩・酸性など)に適応しています。
機能
古細菌やミトコンドリア、一般的な細菌において、光合成や呼吸に伴うエネルギーでプロトンを搬送します。特に古細菌は「バクテリオロドプシン(bacteriorhodopsin)」という光駆動型プロトンポンプを用います。バクテリオロドプシンは細胞膜の約50%に存在し、光エネルギーを捕捉してプロトンを膜外へ輸送します。
特徴
バクテリオロドプシンは、構造が最初に完全に解明された膜輸送タンパク質です。各分子はレチナール(光吸収基)を1つ持ち、これが紫色を呈します。光子がレチナールに当たると興奮し構造が変化し、細胞内部から外部へ1つのプロトンが搬送されます。
考慮すべき点
強い光下では、バクテリオロドプシン1分子が1秒間に数百個のプロトンをポンプできます。この光駆動型プロトン移動が膜電位勾配を作り、ATP合成やその他エネルギー依存プロセスを駆動します。すなわち、バクテリオロドプシンは太陽光エネルギーを化学エネルギーに変換する重要な装置です。
