コロイドシルバーでプールの水質管理はできるのか?
歴史
古代エジプトでは頭蓋手術後に感染防止のため銀板が使用され、古代ギリシャ・ローマでは液体保存に銀容器が用いられました。米国の開拓者は銀貨を水に入れて浄化し、19世紀末には銀が虫歯の充填材として、硝酸銀の点滴が新生児の目に投与され感染予防に利用されました。水質浄化にコロイドシルバーが有効とされ、1970年代初頭にプール水処理の実験が行われました。
効果はあるのか?
1973年、アラゲニー郡保健局は1日50ポンドの塩素で消毒した15万ガロンのプールで、活性炭フィルタにコロイドシルバーを混入し、1974〜75年シーズンにわたり毎日最大50回のサンプルを採取しました。銀イオンは一定の20ppb(10億分の20)を保ち、コロイドシルバーは「塩素と同等の大腸菌除去効果があり、緑膿菌や黄色ブドウ球菌の除去ではやや優れる」と結論付けられ、藻類の繁殖も確認されませんでした。
1976年、ネブラスカ州のプールに5ガロンの汚水を投入し、1/2カップの水に7,000個の大腸菌が混入しました。プール水をコロイドシルバー電極タンクで処理したところ、3時間後には大腸菌が検出されず、銀濃度は3.2ppbという人体に安全なレベルにまで低下しました。
安全性は?
国際宇宙ステーション(ISS)やロシアのミールステーションでも水の消毒にコロイドシルバーが使用されており、NASAは「1億分の100」の基準を採用しています。一方、塩素は「1億分の1,500」の基準です。
エアフランス、アリタリア、ブリティッシュ・エアウェイズ、カナダ・パシフィック航空、日本航空、KLM、パン・アムなど多数の航空会社が機内飲料水の浄化にコロイドシルバーを利用しています。オーストラリアとスイス政府は家庭やオフィス、町の水道水に対するコロイドシルバー浄化を承認しています。
世界保健機関(WHO)は、発展途上国の飲料水浄化にコロイドシルバーの2形態(銀電極の電解生成、フィルタ内のコロイドシルバー)を認可しています。
法的側面
プールでのコロイドシルバー使用は合法ですが、多くの州や自治体では依然として塩素使用が義務付けられています。したがって、合法的に使用するには、塩素と併用して補助的に用いることが一般的です。
使用手順
コロイドシルバーはプール水処理に有効であることが示されていますが、塩素のように詳細な投与マニュアルは確立されていません。市販のコロイドシルバー溶液や、電解生成装置をオンラインで購入できます。
注意点
水質浄化としての正当な利用は認められる一方で、代替医療としての過剰な効果主張が問題視されています。臨床試験は未実施であり、1999年に米国食品医薬品局(FDA)は「予防・治療効果がある」という主張を禁止し、現在はサプリメントとして販売されています。
2002年、オーストラリアの治療品管理局(TGA)は、医療目的での違法販売が公衆衛生上の重大問題と指摘しました。
長期間の過剰摂取は皮膚に銀や硫化銀が沈着し、青灰色の変色(アルジア)を引き起こします。アルジアの治療法は確立されていません。
