脳神経外科医の実態とキャリア

歴史的人物

脳神経外科の先駆者として、スコットランド出身のウィリアム・マックユーン卿(1848‑1924)は、脳の部位と身体機能の関係を解明し、脳腫瘍手術の基礎を築きました。1879年、画像診断装置がない中で思春期の少女の髄膜腫の正確な部位を特定し、初めての成功例を報告しています。もう一人の重要人物は米国のハーベイ・カッシング(1869‑1939)で、ハーバード医科大学の外科教授兼ボストンのピーター・ベント・ブリグラム病院の外科長を務めました。カッシングは頭部手術の死亡率を10%まで低減させる手法を開発し、X線撮影を頭部画像に取り入れました。

教育

大学で4年間の学士課程を修了した後、さらに4年間の医学部に進学します。医学部は競争が激しく、ハーバードなど名門校でなくても、合格率は低いため、学業成績と試験スコアを高く保つことが重要です。卒業後は研修(レジデンシー)に進みますが、脳神経外科は最長の7年プログラムで、年間に受け入れられる研修医は2〜3名程度と限られています。そのため、志望校に入るまでに1〜2年待機するケースもあります。研修修了後は、さらに1〜2年のフェローシップで小児脳神経外科、脊椎手術、神経腫瘍学(脳腫瘍)や機能的脳神経外科などの専門分野を学ぶことができます。

業務内容

脳神経外科医は脳だけでなく、脊髄や末梢神経、血管系など中枢・末梢の神経系全体を扱います。そのため、脳機能だけでなく循環器系や全身解剖学の知識も必要です。主な診療対象は頭部外傷、脳腫瘍、動脈瘤、椎間板ヘルニア、脊椎変形などです。

キャリアと働き方

脳神経外科医の働き方は大きく分けて、大学や研究機関に所属する学術脳神経外科医と、病院勤務や自営のプライベートプラクティスがあります。学術脳神経外科医は教育・研究業務が求められ、給与は医学校の予算に基づきます。病院勤務医は固定給で雇用され、プライベートプラクティス医は診療所や手術室の運営を自ら行い、収益は診療報酬に依存します。いずれにせよ、週60〜80時間以上の長時間労働が常態化しており、手術は長時間に及ぶこともあります。そのため、体力と健康管理が不可欠です。勤務時間は平均で朝6時から夜7時までとされ、プライベートの時間は限られます。

給与

研修医時代の年収は約40,000〜50,000米ドルです。フルタイムの脳神経外科医になるまでこの範囲が続きます。米国の2008年AMGA医療グループ給与調査によると、平均年収は約581,000米ドルです。経験年数が増えるにつれ基本給やボーナスが上がり、プライベートプラクティスでは7桁(1000万米ドル以上)に達することもあります。生活費が高い大都市圏では給与水準が高くなる傾向があります。

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