異常な心室中隔運動(ASM)とは?原因と診断のポイント
異常な心室中隔運動(Abnormal Septal Motion, ASM)とは、心臓の左心室と右心室を分ける筋肉壁(中隔)が、通常のように滑らかで左右対称に動かず、不規則または異常な動きを示す状態を指します。中隔の動きは心拍サイクル全体で重要な役割を果たすため、異常があると心機能に影響を与えることがあります。
主な原因
1. 冠動脈疾患(CAD)
冠動脈が狭くなることで心筋への血流が低下し、中隔の筋力が弱まります。その結果、収縮時に中隔が正常に動かず、異常運動が観察されます。
2. 肥大型心筋症(HCM)
心筋が肥厚し、特に中隔部が厚くなると血流が制限されます。肥厚した中隔は硬くなり、収縮時に不自然な動きを示すことがあります。
3. 心室中隔欠損(VSD)
心室中隔に穴があると、左心室と右心室間で血液が異常に流れます。このシャントが中隔の動きを乱し、ASM が生じます。
4. 拡張型心筋症(DCM)
心筋が拡大・弛緩し、全体的に弱くなるため、中隔も十分に収縮できず、異常な動きが見られます。
5. 不整脈・伝導障害
心室性頻拍や脚ブロックなど、電気信号の異常が中隔の収縮タイミングをずらし、結果として不規則な中隔運動が起こります。
診断方法
ASM は主に心エコー(超音波検査)や心臓MRI(磁気共鳴画像)で評価されます。画像上で中隔の動きの範囲や程度を測定し、基礎疾患の有無や重症度を判断します。これにより、適切な治療方針を立てるための重要な情報が得られます。
