大動脈弁置換手術と認知機能への影響
弁置換手術
弁置換手術はすべての患者に適用できるわけではありません。心臓専門医は、手術に耐えられるかどうかを判断するために面談や各種検査を行います。手術を受ける場合、主に2つの方法があります。
従来法(心肺バイパス使用)
心肺装置で血液循環を代替し、心臓を停止させた状態で胸骨を開き、新しい弁を縫合します。
経カテーテル法(実験的アプローチ)
21世紀初頭に開発された新しい手法で、太ももの大腿動脈からカテーテルを通して弁を設置します。現在は臨床試験段階で、実施できる病院は限られています。手術中に脳保護薬を投与し、動脈壁から放出される脂質の血流への流入を抑える試みも行われています。
認知機能の低下
手術後数週間で、うつ状態や混乱、いわゆる「霧の中にいる」感覚を訴える患者がいます。臨床試験では、言語理解、空間イメージ、手先の器用さなどが一時的に低下することが確認されていますが、通常は数か月で回復します。
脳トレーニングのすすめ
認知機能低下を感じたら、慌てずに以下を実践しましょう。
- やることリストや電話番号、買い物リストなどを書き出す。
- 日々の出来事を日記に記録し、情報の整理を助ける。
- クロスワード、数独、点つなぎパズルなどで脳を活性化する。
- タスクの委任や助けを求めることをためらわない。
健康的な生活習慣
認知機能低下が起きやすいのは、もともと認知症リスクが高い人です。手術前から心と脳の健康を支える生活習慣を整えておくと回復がスムーズです。
- 脂肪を控え、赤身たんぱく質を中心にした食事。
- 処方された薬やサプリメントを正しく服用。
- 週3回、30分程度の中等度の運動を継続。
- ストレス管理を徹底し、心身のバランスを保つ。
