脂肪吸引の概要と注意点

体重に悩む人が外科的手段として「体重を溶かす」イメージで脂肪吸引を考えることがありますが、実際は体形矯正が主目的です。手術前に知っておくべきポイントをまとめました。

歴史

体形矯正手術は1900年代初頭に研究が始まりましたが、1926年の大腿部壊疽事件で一時停滞。その後、1960年代後半にヨーロッパの外科医が再び研究を開始し、フランスのイリュ医師が1982年に高真空吸引を用いた現代的脂肪吸引法を発表しました。1990年代には脂肪を超音波で液化する手法が導入され、近年はレーザー付きプローブも使用されています。

手術の流れ

現代の脂肪吸引は、細い管(カニューレ)と吸引装置(アスピレーター)を用いて皮膚と筋肉の間の脂肪を除去します。小さな切開部からカニューレを挿入し、全身麻酔または局所麻酔で疼痛を管理します。吸引により脂肪を取り除き、体の輪郭を整えます。

主な手法の種類

  • チューメセント法:生理食塩水・エピネフリン・鎮痛剤の混合液を脂肪組織に注入し、血液損失を抑えながら吸引しやすくします。
  • 超音波支援法:超音波で脂肪を液化してから吸引します。
  • 水流支援法:扇形の水流で脂肪組織を緩めてから吸引します。
  • 従来の吸引法:カニューレを上下に動かし脂肪を砕いた後、吸引します。

回復期間

手術後2週間以内に通常の生活へ戻れることが多く、2日程度で軽い活動が可能です。疼痛は鎮痛薬で管理し、術部には2〜4週間の圧迫包帯を装着します。腫れや青あざは一般的で、十分な水分補給が重要です。

リスクと合併症

疼痛、青あざ、腫れは一時的に起こりますが、切開部の瘢痕や一時的な感覚異常もあります。重篤な合併症としては皮膚損傷、感染、内臓穿刺がありますが、近年の研究では主要合併症率は1%未満です。

適応と留意点

脂肪吸引は減量手段ではなく、食事や運動で落としにくい局所的な脂肪を除去し体形を整える手術です。除去できる脂肪量は平均で2〜3kg未満で、理想体重に近い人が対象となります。過度な期待は禁物です。

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