腹部大動脈瘤の治療と回復

腹部大動脈瘤(AAA)は、最も一般的な動脈瘤です。大腿部・骨盤・腹部へ血液を供給する大動脈が拡張し、外側に膨らんでいます。治療と回復は、瘤の大きさや症状に応じて選択されます。

種類

腹部大動脈瘤は、直径が5cm未満の「小型」または5cm以上の「大型」に分類されます。多くは無症状で、診察時に脈打つ腫瘤として偶然発見されます。小型の場合は手術を延期し、半年ごとに超音波で経過観察します。5cmを超えると手術が推奨され、手術方法により回復期間が変わります。

開腹手術

開腹修復は全身麻酔下で行われ、背中または右側を仰向けに寝た状態で手術します。外科医は腹部に約12〜15cmの切開を加え、人工血管(グラフト)で瘤を置換します。出血や瘤が約5cm(約2インチ)以上、または急速に拡大している場合に適応されます。

回復期間は入院5〜10日で、最初の数日は集中治療室に入ります。手術後すぐに人工呼吸器が必要になることがあり、血液を薄くする薬や鼻胃管での排液が行われます。術後はベッドの端に座り、徐々に歩行を開始します。疼痛管理が必要で、完全回復までに2〜3か月を要します。

血管内手術(EVAR)

血管内修復は開腹手術より侵襲が少なく、脚の動脈からカテーテルを通して合成グラフトを瘤部に配置し、膨張させて血流を遮断します。

切開が不要で全身麻酔を使用しないケースが多く、痛みも軽減されるため回復は短く済みます。ただし、長期的な安全性データは十分でなく、予後が20年以上期待できる患者には開腹手術が推奨されます。

適切な治療法の選択と定期的なフォローアップが、合併症の予防と早期回復につながります。

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