半夏泣(Hangekobokuto)の構成薬草と効果
半夏泣(Hangekobokuto)は、伝統的な漢方薬の一つで、半夏、茯苓、生姜、シソ、シナノキ樹皮の5種の薬草を配合した処方です。主に喉の炎症、食道痙攣、筋肉の痙攣、ストレスや不安に伴う消化不良の改善に用いられます。
2007年に大川哲郎氏が『Advanced Access Publication』に報告した研究では、半夏泣がガス・膨満感・消化不良・過敏性腸症候群の症状を有意に軽減することが示されました。また、2000年の『Journal of Ethnopharmacology』に掲載された羅蘭氏の研究では、抗うつ作用がプロザックに匹敵することが確認されています。
半夏(Pinellia ternata)
半夏は本処方で最も多く使用される薬草です。湿性咳、喘息、肺うっ血、痰、嘔吐、消化不良など幅広い症状に用いられ、灸(もくび)治療でも使用されます。米国ではエフェドリン様アルカロイドが含まれるため禁用とされており、高血圧や心血管疾患のある方は使用を避けるべきです。
茯苓(Wolfiporia extensa / Poria cocos)
茯苓は食用・薬用どちらでも利用されるキノコで、消化器系のトラブルやストレス緩和に効果があります。1991年の『中国近代伝統医学発展誌』に掲載された李裕麟氏の研究では、幼児の下痢症状を改善し、免疫機能を向上させる効果が報告されています。
生姜(Zingiber officinale)根茎
生姜は世界中で広く利用されるハーブで、消化不良や炎症、咳の緩和に用いられます。2000年の『British Journal of Anaesthesia』に掲載されたエルンスト&ピトラー氏のレビューでは、乗呑み(船酔)・つわり・化学療法による嘔吐に対し、プラセボ以上の効果が示されています。
シソ(Perilla frutescens)
シソは東アジア原産の植物で、種子・油・葉が利用されます。葉は咳・肺炎・インフルエンザ・食中毒・炎症・アレルギーの緩和に使われ、2004年の『Experimental Biology and Medicine』に掲載された高野浩久氏の小規模研究では、ロスマリン酸を多く含むシソ抽出物が花粉症の全症状を軽減することが示されました。
シナノキ樹皮(Magnolia officinalis cortex)
シナノキ樹皮は近年、西洋でも注目されている薬草で、抗不安、抗菌、抗酸化、抗癌作用が報告されています。樹皮中のホノキオールは動物実験で不安緩和効果が確認されており、1999年の『Journal of Pharmacy and Pharmacology』に掲載された栗原浩氏の研究でも同様の結果が得られています。
