酸素療法の概要と実施方法
鼻カニューレ、マスク、チャンバー、テントなどを用いた酸素投与は、体内に高濃度の酸素を供給し、血中酸素不足(低酸素血症)による機能障害を防止することを目的としています。
酸素供給の形態
酸素は様々な形態で供給されます。圧縮ガス酸素は、圧力タンクに保存され、メーターとレギュレーターで流量を調整します。これは、常時酸素が必要でない患者に適しています。液体酸素は極低温で大型タンクに保存され、使用前に加温してガスに変換します。酸素濃縮装置は室内の空気から酸素を分離し、鼻カニューレを通じて供給します。これは、日常的に酸素補給が必要な患者や睡眠中に使用されます。吸気検知型(デマンド)システムは、吸息時にのみ酸素を供給し、呼気時の酸素浪費を防ぎます。
酸素供給装置
マスクや鼻カニューレはチューブで酸素源に接続され、患者に酸素を送ります。マスクは食事や会話を妨げず、最も一般的に使用されます。経気管的(トランス気管)法では、気管切開用チューブを通して柔軟なカテーテルを気管内に配置し、口鼻・咽頭を介さずに酸素を直接供給します。テントや乳児専用の特殊システムも用途に応じて利用されます。
高圧酸素療法
酸素を加圧したチャンバー内で行う治療です。セッション中の圧力は大気圧の約2.5倍に上げられ、30分から2時間の間で実施します。終了時には圧力を徐々に減圧します。減圧症、煙吸入、空気塞栓、一酸化炭素中毒、ガス壊疽、脳低酸素状態などの治療に有効です。
ヘリウム酸素療法(ヘリオックス)
重度の気道閉塞を伴う患者に対し、ヘリウムと酸素の混合ガス(ヘリオックス)を使用します。ヘリウムは密度が低く、呼吸抵抗を減少させるため、喘息発作などの急性呼吸困難時に呼吸を楽にします。
