人と犬に影響を及ぼすダニの種類と対策

ダニはクモやダニに近い小さな節足動物で、血液や組織、皮膚の角質などを食べます。人間と犬の両方にかゆみや発疹、鼻水、くしゃみなどさまざまな症状を引き起こす種類があります。以下では代表的なダニの種類とその症状、予防・治療法について解説します。

サルコプテス・スカビエ(疥癬)と関連種

サルコプテス属のダニは疥癬(かいせん)を引き起こし、人と犬の両方に感染します。犬では「疥癬性皮膚炎(サルコプティックマング)」と呼ばれ、脱毛、かゆみ、斑点状の皮膚炎が見られます。各種の疥癬ダニは宿主に特化しており、犬に特化した種は人間の皮膚上では長く生き残れません。

ダニは皮膚の表層にトンネルを掘り、そこに卵を産みます。トンネル内で移動する際に皮膚を刺激し、強いかゆみを引き起こします。犬同士の直接接触で感染が拡がり、人間への感染は主に感染者との密接な接触が原因です。

犬の疥癬治療には、イベルメクチン(FDA未承認ですが獣医師がよく使用)や、インターセプター、センチネル、アドバンテージ・マルチなどの外用薬が有効です。ただし、特定の牧羊犬種などはイベルメクチンが使用できないため、代替薬が必要です。

人の疥癬には「スカビシド」と呼ばれる外用薬(クリームやローション)が処方され、感染部位に直接塗布します。また、寝具や衣類は高温(60℃以上)の湯で洗濯し、乾燥機で十分に乾かすことが重要です。CDCは、性的パートナーや密接に接触した家族も同時に治療することを推奨しています。

チャガーダニ(チッカガニ)

チャガーダニは夏季に人と犬の両方を刺す小さなダニです。幼虫(6本脚)だけが宿主の血液や組織液を吸食し、成虫になると吸血は行いません。誤って血を吸うというイメージがありますが、実際は皮膚に浸透した組織液を吸い取ります。

刺された部位は赤く腫れ、かゆみを伴う斑点となり、中心に小さな白い膿疱ができることがあります。人の場合は足首、靴下やベルトの下、脇の下、鼠径部、膝裏など、衣服が密着する部位に好発します。犬では脚、腹部、頭部が主な被害部位です。

予防策としては、長草や茂みを刈り取る、虫除けスプレーを使用する、屋外活動後はすぐに温水でシャワーを浴び、衣類は熱湯で洗濯することが有効です。冷水ではダニが死滅しにくく、再び刺される恐れがあります。

犬がチャガーに刺された場合は、ダイップや外用の駆除薬で対処します。

ハウスダストダニ

ハウスダストダニは人や犬の皮膚を直接食べるわけではありませんが、アレルギーの原因となります。人では喘鳴、くしゃみ、目のかゆみ・涙目などのアレルギー性鼻炎を引き起こし、犬では皮膚炎(アレルギー性皮膚炎)として現れます。

このダニは死んだ皮膚細胞やペットのフケを餌にします。寝具やソフト家具など、食料が豊富にある場所に繁殖しやすく、空気中に舞い上がった糞や死体が吸入されることでアレルギー症状が誘発されます。

犬のアレルギーは主にダニが産生する酵素に対する過敏反応が原因です。人と同様に症状が出ることもありますが、犬の方が皮膚症状が顕著です。

対策としては、こまめに掃除機をかけ、布団やカーペットは定期的に高温で洗濯・乾燥し、空気清浄機を使用して室内のダニとその糞を除去します。

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