赤血球沈降速度とがん
頸部の痛みやこわばりを訴える患者に対し、医師はしばしば赤血球沈降速度(ESR)検査を行います。この検査は体内の炎症の有無を示す指標で、炎症の原因ががんである可能性もあるため、必要に応じて追加検査が行われます。
赤血球沈降速度(ESR)検査とは
ESRは、血液サンプル中の赤血球が1時間でどれだけ沈降するかを測定する検査です。血管の底に沈むまでの距離を測り、がん患者は健康な人に比べて沈降速度が高いことが報告されています(米国国立がん研究所)。
適応(検査を行う理由)
以下のような症状がある場合にESR検査が指示されます。
- 頭痛や頸部痛
- 体重減少
- 貧血
- 関節のこわばり
- 感染症やがんが疑われる場合
検査結果の解釈
ESRが高い(陽性)だけでがんの診断はできません。自己免疫疾患、炎症性疾患、貧血などでも上昇します。
ESRが正常範囲内(陰性)であればがんの可能性は低くなりますが、陽性の場合は更なる精密検査が必要です。
陽性結果後に実施される追加検査
ESRが上昇している場合、医師はしばしば以下の検査を行います。
- フィブリノゲン濃度測定
- 血清タンパク電気泳動
これらは血漿中のフィブリノゲンやグロブリンの異常を特定し、沈降速度上昇の原因を明らかにします(Lab Tests Online)。
偽陽性の原因
ESRが高くても必ずしもがんとは限りません。以下の要因で偽陽性が起こります。
- 貧血やその他の炎症性疾患
- 妊娠(特に女性)
- 女性は男性に比べてESRがやや高め
以上のように、ESRは炎症の有無を示す有用な指標ですが、単独でがん診断を行うことはできません。結果を踏まえて適切な追加検査を実施することが重要です。
