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サルモネラ菌を利用したがん治療の最新アプローチ

1990年代半ばから、米国セントルイスのワシントン大学の研究チームは新しいがん治療法の開発に取り組んできました。15年の研究の末、2009年に腫瘍内にサルモネラ菌を導入し、がん細胞を破壊させる可能性のある手法を発表しました。現在も研究は続いていますが、サルモネラを利用した治療の基本的な手順は以下の通りです。

治療手順

  1. ① サルモネラ菌の遺伝子改変

    研究室でサルモネラ菌を遺伝子操作し、2つの重要な機能を持たせます。まず、一定時間経過後に細胞壁が崩壊し自滅する「スーシッドメカニズム」を組み込み、患者が致死的な感染を起こさないようにします。次に、腫瘍細胞を攻撃する物質(主にインターロイキン‑2)を産生・放出する遺伝子を導入します。

  2. ② 不活化サルモネラ菌の腫瘍への投与

    不活化された改変菌を腫瘍内部に注入します。腫瘍は酸素が少なく、サルモネラが好む栄養が豊富な環境であるため、菌は増殖しやすくなります。投与方法は現在研究中で、患者への副作用を最小限に抑える手順が求められます。

  3. ③ L‑アラビノースで菌を活性化

    簡単な糖分子であるL‑アラビノースを投与すると、サルモネラは遺伝子で組み込まれたスイッチが作動し、インターロイキン‑2の産生を開始します。これにより腫瘍細胞が直接攻撃されます。

  4. ④ 免疫応答と治療効果の観察

    サルモネラが腫瘍内でインターロイクン‑2を放出している間、体は菌に対する免疫を活性化させます。免疫系の強化とインターロイキン‑2の併合作用で腫瘍が縮小・消失することが期待されます。この期間は患者の状態を継続的にモニタリングすることが不可欠です。

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