|  | 健康と病気 >  | がん | がん治療

光熱療法(フォトサーマル)によるがん治療

新しいがん治療法の有効性は日々研究されています。多くは期待通りに進まないものの、がんの根本的な治療法が間もなく見つかる可能性は残されています。ナノテクノロジーを組み合わせた光熱療法は、光だけでがん細胞を破壊する画期的なアプローチです。

がんとは

がんは、体内の細胞が異常に増殖し、制御できなくなる悪性腫瘍です。外部から侵入する病気とは異なり、体内部で発生・進行します。細胞が予期せず変異したり、プログラムされた死を免れたりすることで起こります。主な症状は、夜間の発汗、悪寒、発熱、原因不明の体重減少などがあります。

ナノテクノロジーの基礎

光熱療法を理解するには、ナノテクノロジーの基本を知る必要があります。米国国立がん研究所によれば、ナノテクノロジーは「極めて微小な物質を作り、操作する技術」です。1ナノメートルは人の髪の幅の約1/80,000で、ナノテクノロジーはサイズが100ナノメートル未満のものを指します。

光熱療法の仕組み

光熱療法は、光エネルギーを熱に変換し、がん細胞を「加熱」して死滅させる方法です。具体的には、金(Au)ナノ粒子をがん細胞に取り込ませ、特定波長の光を照射します。金ナノ粒子は光を吸収し、熱エネルギーに変換するため、局所的に高温となり細胞が破壊されます。

実用化に向けた課題と対策

最大の課題は、金ナノ粒子をがん細胞に選択的に結合させ、正常組織への影響を最小限に抑えることです。がん細胞は、表面に過剰な「上皮成長因子受容体(EGFR)」を持つことが多く、この特性を利用します。金ナノロッドは抗EGFR抗体で表面修飾され、体内に投与されるとEGFRに結合するがん細胞へと引き寄せられます。

光熱療法のメリット

この治療法の最大の利点は、がんを根本的に除去できる可能性がある点です。さらに、手術や放射線治療と異なり、正常組織への二次的な損傷が極めて少ないため、より繊細かつ精密ながん治療が実現します。

がん治療 - 関連記事