|  | 健康と病気 >  | がん | がん治療

骨髄移植の概要と課題

骨髄移植とは

白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液疾患に対する根治的治療法で、機能不全の免疫系を新しい骨髄に置き換える手術です。主な移植形態は、自己移植(患者自身の骨髄を使用)、同種移植(他人からの提供)、臍帯血移植(臍帯血由来の細胞)があります。

移植の仕組み

骨髄は骨のスポンジ状部分で、白血球(感染防御)、赤血球(酸素運搬)、血小板(止血)を産生します。まずドナーから骨髄または細胞を採取し、受容者は数日間の化学療法や放射線で自分の骨髄を破壊します。その後、1〜2日休ませてから、採取した骨髄・細胞を点滴(血液輸血と同様)で移植します。

感染症リスク

化学療法・放射線により白血球数が極端に低下し、免疫系がほぼ機能しなくなります。そのため、細菌・ウイルス・真菌感染を防ぐ薬剤が投与されます。発熱は頻繁に起こり、体温が上がったら速やかに抗生物質を変更し、血流感染やショックを防止します。

出血リスク

同様に血小板も減少するため、出血やあざ、鼻血が起こりやすくなります。血小板数が基準値を下回ったら輸血で補います。脳や肺での出血は生命に関わるため、迅速な対応が必要です。

移植片対宿主病(GVHD)

同種移植や臍帯血移植では、ドナー由来の細胞が受容者の体内に入ります。受容者の免疫系がそれを「異物」と認識し攻撃することがGVHDです。症状は嘔吐、下痢、腹痛、皮膚発疹、肝機能障害など。ステロイドが第一選択薬で、効果が不十分な場合は他の免疫抑制薬が使用されます。制御できなければ致命的です。

費用と負担

骨髄移植は全国でも限られた医療機関でしか実施できず、費用は5万ドル以上が一般的です。保険が大部分をカバーしますが、自己負担金、仕事を休むことでの収入減、遠方への渡航費、宿泊費、薬代、駐車料、食費、子どもの保育費などがかかります。回復には1年ほどかかることもあり、その間働けない可能性があります。

まとめ

骨髄移植は決して安価でも安全でもありませんが、治療法が残されていない患者にとっては最後の希望です。そのリスクを十分に理解した上で、選択されることが重要です。

がん治療 - 関連記事