アスベスト症候群とは
アスベストはどのように健康に害を及ぼすのか
壁や天井にしっかりと封じ込められた状態のアスベストは、直接的な健康リスクはほとんどありません。しかし、劣化や破損により微細な繊維が空気中に放出されると、吸入した人の肺や喉に傷をつけ、瘢痕や出血、肺機能低下を引き起こし、最終的にがんへと進行することがあります。
誰がリスクにさらされているか
大気、土壌、飲料水中に微量のアスベストは常に存在しますが、ほとんどの人は健康被害を受けません。リスクが高いのは、アスベストを日常的に取り扱い、適切な防護策を講じていなかった労働者です。米国国立がん研究所は、造船、消防、解体作業、石膏ボード除去などの職種での罹患リスクを指摘しています。
主な症状は何か
米国国立がん研究所が示す、アスベスト曝露が疑われる場合の注意すべき症状は以下の通りです。
- 息切れ・呼吸困難
- 喘鳴(ぜんめい)や声のかすれ
- 持続的で悪化する咳
- 痰に血が混じる
- 胸部の痛みや圧迫感
- 嚥下困難
- 首や顔のむくみ
- 食欲不振、倦怠感、貧血
アスベスト関連疾患の治療法
最も深刻な結果は、胸膜や腹膜を覆う薄い膜(中皮)に発生する希少がん「中皮腫」です。米国国立がん研究所によると、新たに診断された中皮腫の70〜80%は職場でのアスベスト曝露が原因とされています。症状は曝露から50年以上経過してから現れることもあります。治療はがんの部位と進行度に応じて、外科的切除、放射線療法、化学療法が組み合わされます。
アスベスト曝露から身を守る方法
米国労働省労働安全衛生局(OSHA)は、雇用者に対しアスベスト取扱い作業の安全基準を義務付けています。主な対策は、8時間労働中の曝露時間制限、曝露レベルの測定、適切な呼吸防護具の提供、防護服の着用、危険物の表示、曝露管理記録の保持です。
住宅内でアスベストが疑われる場合は、専門のアスベスト検査業者に依頼しましょう。米国環境保護庁(EPA)は、目視検査に加えてサンプルの実験室分析を必須としています。検査結果には、アスベストの位置・範囲、損傷状態、除去または曝露防止の具体的な提案が書面で示されるべきです。
