子宮頸がんの予後とステージ別生存率
子宮頸がんは子宮頸部(子宮と膣をつなぐ部分)に発生するがんです。子宮頸部は外頸部(外頸管)と内頸部(子宮頸管)に分かれ、両者の境界である転換帯ががんの発生しやすい部位です。ほとんどの子宮頸がんはこの転換帯から始まり、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が主な原因とされています。HPVは性行為などの体液接触で感染し、血液検査や子宮頸部細胞診(パップスメア)で早期に検出できます。ワクチン接種により予防も可能です。
子宮頸がんのステージと予後
がんの予後はステージに大きく依存します。国際婦人科産科連合(FIGO)が定めた FIGO ステージ分類は、臨床的所見や検査結果に基づいてがんの進行度を評価します。
ステージ0(上皮内がん)
がん細胞が子宮頸部の表層にとどまっている状態で、治療が最も容易です。5 年生存率は 95%以上と非常に高いです。
ステージⅠ(局所がん)
Ⅰ期は IA と IB に分かれ、さらに IA1・IA2、IB1・IB2 と細分されます。
- IA1・IA2:がんが顕微鏡でしか確認できないほど小さく、浸潤深さは 3 mm 未満(IA1)または 3〜5 mm(IA2)です。5 年生存率は 95%以上です。
- IB1:腫瘍径が 4 cm 未満。5 年生存率は約 90%です。
- IB2:腫瘍径が 4 cm 以上。5 年生存率は 80〜85%です。
ステージⅡ(子宮頸部から子宮体部へ拡がったがん)
II期は IIA と IIB に分かれます。
- IIA:子宮頸部を超えて上部膣に浸潤したが、子宮側組織(parametrium)には達していません。5 年生存率は 70〜75%です。
- IIB:parametrium に浸潤した状態です。生存率は同様に 70〜75%です。
ステージⅢ(下部膣や骨盤壁へ広がったがん)
III期は IIIA と IIIB に分かれます。
- IIIA:下部 1/3 の膣に浸潤していますが、骨盤壁や尿管は閉塞していません。5 年生存率は 47〜50%です。
- IIIB:骨盤壁に浸潤、または尿管が閉塞した状態です。生存率は同様に 47〜50%です。
ステージⅣ(遠隔転移が認められる)
IV期は IVA と IVB に分かれます。
- IVA:膀胱や直腸など、子宮頸部に最も近い臓器へ転移しています。
- IVB:肺や他の遠隔臓器へ転移しています。
IV期は根治が困難で、放射線療法が主な緩和的治療となります。5 年生存率は 20〜30%程度です。
