リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)と子宮・結腸がんリスク
リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん、HNPCC)は、常染色体優性遺伝で伝わる疾患です。DNA修復遺伝子に変異があるため、細胞分裂時のコピーエラーが蓄積し、結腸・直腸・子宮・卵巣など様々ながんのリスクが高まります。
HNPCC:何が問題なのか
DNA修復遺伝子が正常に機能しないと、細胞分裂時に生じる微細なDNA損傷が修復されず、蓄積した結果、がん細胞へと変化しやすくなります。
男性に多いがんの種類
- 消化管がん(特に大腸がん)
- 肝臓がん
- 上部尿路がん
- 脳腫瘍
- 皮膚がん
- 胆嚢管がん
- 前立腺がん
女性に多いがんの種類
- 男性と同様の消化管・肝臓・尿路・脳・皮膚・胆嚢管のがん
- 子宮体がん(子宮内膜がん)
- 卵巣がん
がん発生率
2006年に「Journal of the American Medical Association」に掲載された推計によると、米国の大腸がん症例の約2%がHNPCCに起因します。National Center for Biotechnology Informationのデータでは、HNPCC保有者は生涯で大腸がんリスクが約80%、女性は子宮体がんリスクが20〜60%とされています。
遺伝子検査
家系にHNPCC関連がんの既往がある成人は、遺伝子検査を受けることが推奨されます。2008年の連邦遺伝情報差別禁止法(GINA)により、検査結果に基づく雇用や保険の差別は禁じられています。
予防策
同誌の推奨に従い、20〜25歳から1〜2年ごとに大腸内視鏡検査を実施します。女性は出産後、子宮と卵巣の予防的切除を検討することがあります。
