狂牛病はどのように検出するか

狂牛病(BSE)とは

狂牛病、正式名称は牛海綿状脳症(Bovine Spongiform Encephalopathy、BSE)は、牛に発症する稀な変性神経疾患です。致死性で治療法はありません。ヒトにおける同様の疾患はクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)と呼ばれます。

1. 臨床症状の観察

感染した牛は、攻撃性や抑うつといった異常行動、協調運動障害、立ち上がりや歩行の困難、震え、過剰な唾液分泌、体重減少などが見られることがあります。ただし症状は個体差が大きく、BSEだけに特有とは限りません。

2. 死後検査(解剖診断)

死亡後に脳や脊髄を検査し、海綿状変性病変(スポンジ様空洞)が認められればBSEの疑いが強まります。さらに、専門ラボで免疫組織化学染色やウエスタンブロットなどの検査を行い確定診断します。

3. 血液検査

一部の血液検査では異常プリオンタンパク質を検出できますが、感度・特異度が十分でないため、他の診断法と組み合わせて使用されます。

4. 生体組織サンプリング

生きている牛からはリンパ節や脳組織のサンプルを採取し、プリオンの有無を調べます。この方法はBSEが報告されている国での監視・早期発見に重要です。

5. 疫学的調査

感染が疑われる場合、牛の飼養履歴、飼料、移動履歴、他の牛や汚染可能性のある物質との接触状況などを追跡し、感染源を特定します。

6. ヒトにおける確定診断

クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は、死亡後に脳組織を検査し、異常プリオンタンパク質の蓄積を確認することでしか確定診断できません。解剖学的検査と実験室検査が併用されます。

狂牛病は深刻な疾患ですが、ヒトへの感染リスクは極めて低く、多くの国で厳格な管理・検査体制が整えられています。

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