肝臓がんの治療法と選択肢
肝臓がんは、肝臓内で悪性細胞が制御できずに増殖する疾患です。世界の多くの地域で頻度は高いですが、米国では比較的まれで、ほとんどは他の臓器から転移したものです。もちろん、原発性肝臓がんも存在し、治癒の可能性は病期や患者の健康状態により異なります。
治療法の選択肢の評価
がんと診断された場合、治療は以下の要素を総合的に判断して決定します。年齢や全身状態、現在の肝機能、肝臓内の腫瘍数・大きさ・位置、肝硬変の有無、さらにはがんが他臓器へ転移しているかどうかです。これらを踏まえて、外科手術、アブレーション(組織破壊)、血管塞栓術、分子標的療法、放射線療法、化学療法などが選択肢となります。
外科的治療
外科手術は肝臓がんに対する最も根本的な治療法です。早期に発見され、手術に耐えうる体力がある場合、予後は非常に良好です。主な手術は2種類あります。
- 部分肝切除:肝機能が良好で転移がない場合、腫瘍とその周囲の正常組織を少量残して切除します。肝臓は切除後も残存部分が機能を代替し、数週間で失われた組織が再生します。
- 肝移植:肝全体を取り除き、ドナーからの肝臓と置換します。死亡ドナーからの全肝移植が一般的ですが、適合する生体ドナーからの部分肝移植も行われます。
アブレーション
手術適応外、または肝移植待機中の場合に行われることが多いです。針を通じて化学薬剤や高温を直接腫瘍に当て、組織を焼灼します。局所麻酔下で皮膚から行えるため侵襲が少なく、回復も早いです。
血管塞栓術(エンボリゼーション)
手術や移植が不可能なケースで用いられます。細かいスポンジ(エンボリックエージェント)を肝動脈に注入し、腫瘍への血流を遮断します。血流が遮断されると腫瘍は酸素不足で壊死します。一方、肝臓自体は門脈からの血流で機能を維持します。
分子標的療法・放射線療法・化学療法
進行例や転移例では、以下の薬物・治療が併用されます。
- 分子標的薬:経口薬ソラフェニブ(商品名Nexavar)を用い、腫瘍の増殖と血管新生を抑制します。
- 放射線療法:高エネルギX線を局所的に照射し、腫瘍細胞を破壊します。
- 化学療法:全身にがん細胞が散らばっている場合、点滴で投与する薬剤により全身的に腫瘍を攻撃します。
具体的な治療計画は担当医と十分に相談し、個々の状態に最適な方法を選択してください。
