中皮腫とは
中皮腫は、人体の臓器を包む薄い膜(中皮)に発生するがんです。米国では毎年2,000件以上が新たに診断され、主な原因はアスベストへの曝露です。主に胸膜中皮腫(肺の膜)と腹膜中皮腫(腹腔の膜)が見られますが、心膜や生殖器に発生する稀な形態もあります。
識別
男性の精巣や女性の卵巣に発生する生殖器系中皮腫は極めて稀で、腹膜の一部が伸びた領域に発生します。手術で患部を除去し、放射線療法や化学療法を併用しますが、予後は不良で、治療後でも生存期間は12〜18か月程度です。腫瘍やしこりが見つかった時点で、すでに進行した段階であることが多いです。
経過
心膜中皮腫は最も稀なタイプで、米国のアスベスト関連がん死亡者の5〜15%を占めます。長期間にわたるアスベスト曝露が原因で、発症までに数十年かかります。診断が遅れるため、進行期では生存期間は6週間から1年程度です。
警告
心膜中皮腫は胸痛、咳、呼吸困難、心拍の乱れといった症状を呈し、他の疾患と誤診されやすいです。アスベストに接触した経験がある人は、定期的な健康診断を受けることで早期発見の可能性が高まります。
予防・対策
心膜中皮腫は多くの場合、進行期に発見されます。根治的治療は難しく、緩和ケアが中心となります。早期に発見できれば、心膜のがん組織を外科的に除去する手術が検討されますが、放射線療法や化学療法が主に用いられます。
理論・推測
吸入または摂取したアスベスト繊維が肺や腹腔に蓄積し、がん細胞を誘発します。心膜においては、肺から血流を介して繊維が心臓の膜に到達し、長期間にわたって炎症や細胞変異を引き起こすと考えられています。
