進行直腸がんの症状と治療
直腸がんは直腸に発生する悪性腫瘍で、直腸は大腸の最終部で、長さは約12センチメートルです。がんが直腸を越えて周囲の臓器やリンパ節(ステージIII)や遠隔臓器・リンパ節(ステージIV)へ転移すると「進行」と呼ばれます。ステージI が最も早期で、ステージIII・IV が一般に「進行」とみなされ、治療が困難になるか、場合によっては不可能となります。ステージIV の場合、米国がん協会(ACS)は5年生存率が5%未満としています。
直腸がんの発生率
ACS は結腸がんと直腸がんを合わせて「大腸がん」とし、米国では約19人に1人が大腸がんと診断されると推計しています。2009 年の統計では、直腸がん新規患者は 40,870 人、結腸がんは 106,100 人と報告され、男性の方がやや多く発生します。
「進行」直腸がんとは
ACS は進行がん、再発がん、転移がんの3つに分類しています。がんが他臓器へ転移していなくても、直腸内で浸潤が広がっている場合は「進行」と判断されます。再発がんは一度寛解したがんが再び出現した状態で、治療への反応が低下しやすく、特に直腸のような小さな部位で起こりやすいとされています(メリーランド大学医学センター)。
主な症状
早期の直腸がんは無症状であることが多く、症状が現れるのは多くの場合、がんが進行したときです。進行がんで見られる代表的な症状は以下の通りです。
- 直腸出血や便に血が混じる
- 原因不明の体重減少
- 排便時に「残便感」や不完全感を覚える
- 下痢と便秘が交互に繰り返す
- 鉄欠乏性貧血による倦怠感・疲労
- 膨満感、ガス、腹部の痛みや痙攣
症状と検診の重要性
進行がんでも日常的な症状と似通っているため、症状だけで判断することは困難です。そのため、定期的なスクリーニングが不可欠です。ACS のデータによれば、早期に発見された直腸がんの 90% は治癒可能とされています。症状が出る前に検査を受けることが、生存率を高める鍵となります。
治療法と予後
ステージIII・IV の進行直腸がんは根治が難しく、主に生存期間の延長と症状緩和を目的とした治療が行われます。主な治療法は化学療法、放射線療法、薬物療法、そして一部の症例では手術です。ただし、ステージIV では手術が適応外となることが多く、総合的な治療計画は患者ごとに個別に決定されます。米国がん協会は、進行直腸がんの長期生存率は 5%未満と報告しています。
早期発見と定期検診が予後改善の鍵です。症状が疑われる場合は速やかに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けましょう。
