大腸がんの歴史と概要
歴史
腸がんは人類の歴史とともに存在してきました。1万年以上前の人骨に見られる異常増殖は骨癌の証拠とされ、紀元前1600年のエジプトでは「火のドリル」と呼ばれる手法で乳房腫瘍や潰瘍を治療した記録があります。米国国立がん研究所が腸がんの統計を取り始めたのは1975年で、男女ともに癌発生率第3位、死亡率第3位です。ただし、過去30年間で米国では罹患率・死亡率ともに減少傾向にあります。
原因
腸がんは多くの場合、数年にわたってゆっくりと進行します。症例の95%は腸壁の粘膜にできるポリープから始まり、ポリープのうち腺腫と呼ばれるものががん化することがあります。ポリープは外側にも内側にも成長し、がんの進行度は浸潤した組織の範囲で決まります。原因の80%は不明ですが、遺伝的要因がリスクを高めることが分かっています。
症状
主な症状は直腸出血、便に血が混じる、長期間続く下痢、下腹部の痛みや痙攣、便意を感じても実際には排便できない感覚などです。これらの症状が数週間続く場合は、速やかに医師の診察を受けることが重要です。
治療法
治療は腫瘍の大きさ、進行度、部位、ステージに応じて異なります。早期であれば外科手術で完全に切除できることが多いです。結腸では放射線治療はほとんど用いられませんが、直腸がんでは手術と併用されることがあります。化学療法は手術で残存がん細胞が疑われる場合や、進行がん(他臓転移)に対して主に行われます。
予後
早期に発見された場合、90%以上の生存率が期待できます。進行がんは治癒が難しく、予後は不良です。腫瘍の成長が緩やかなため、早期発見が重要ですが、診断が遅れることも少なくありません。
予防
近年の研究では、食事と生活習慣が腸がん予防に効果的とされています。赤肉の摂取を減らし、食物繊維が豊富な野菜を多く摂ること、ビタミンEやカルシウムなどの抗酸化物質の摂取、そして適正体重の維持がリスク低減に寄与します。
