小児の神経芽細胞腫
神経芽細胞腫は未熟な神経細胞から発生する腫瘍で、乳児期に最も多く見られるが、全小児がんの約8〜10%を占めます。主に腎臓の上に位置する副腎の神経組織から始まり、副腎は心拍や血圧など体内の重要なプロセスを調整するホルモンを分泌しています。また、胸部・腹部・頸部の脊髄近くの神経組織でも発生します。
症状
- 初期段階では症状がほとんどなく、腫瘍が周囲組織や骨に浸潤した時点で発見されることが多い。
- 腹部、胸部、頸部にしこりができる。
- 眼球が突出する。
- 発熱や倦怠感が見られる。
- 乳児では皮膚下に青白いしこりが現れることがある。
診断
- まず医師が身体検査で兆候や症状を確認する。
- 24時間尿検査や血液化学検査などの検査が行われる。
- X線、CT、超音波、神経学的検査などの画像診断が実施される。
- 骨髄生検により、骨髄・骨・血液中のがん細胞の有無を調べる。
予後
- 予後は「診断時の年齢」「腫瘍の部位」「病期」「腫瘍細胞の特徴」など複数の要因で決まる。
- 腫瘍生物学は、増殖速度や正常細胞との差異、細胞のパターンなどで評価され、好ましい型と不利な型に分類される。不利な型は予後が悪くなる。
治療と遅発性障害
- 主な治療法は外科手術、放射線療法、化学療法、経過観察の4つ。
- 骨髄移植も一部のケースで用いられる。
- 病期に応じてリスクグループ(低リスク・中リスク・高リスク)に分類し、リスクに合わせた治療戦略が選択される。低・中リスクは高リスクに比べて治癒しやすい。
- 治療効果を確認するためのフォローアップ検査が行われ、治療後も長期的に健康状態や遅発性障害の有無を監視する。
- 遅発性障害としては二次がん、気分変動、身体的障害などが数年後に現れることがあり、医師と十分に相談して対策を講じる必要がある。
将来の方向性
- 臨床試験では、がん細胞だけを標的とする分子標的治療や、高用量化学療法+幹細胞移植、13‑シスレチノイン酸(13‑cisレチノイン酸)を用いた治療が検討されている。
- これらの新しいアプローチは副作用や遅発性障害の軽減を目指し、治療成績の向上が期待されている。
