概要

血管周皮細胞腫(ヘマジオペリサイトーマ、略称HPC)は、毛細血管の外層に存在する周皮細胞(ペリサイト)から発生する稀な血管性腫瘍です。軟部組織肉腫に分類され、良性から悪性まで幅広い形態があります。主に頭部・頸部・骨盤・下肢の筋肉組織に発生し、悪性例は肺など遠隔臓器へ早期に転移することがあります。予後は腫瘍の大きさ、部位、転移の有無によって大きく左右されます。

原因

血管周皮細胞腫の原因は未だ完全には解明されていません。小児に発症する場合は先天的要因が疑われ、家族内に同様の腫瘍を持つ患者が複数報告されています。また、他の悪性腫瘍を併発しやすい傾向があることも示唆されています。

症状

症状は腫瘍の位置とサイズに依存します。胸部に腫瘍ができると呼吸困難、疼痛、咳嗽が現れ、腹部にできた場合は腸管や泌尿器系の障害を引き起こすことがあります。腫瘍がインスリン様の成長因子を分泌すると低血糖症状が出ることもあります。その他、夜間の発汗、疼痛、歩行障害なども報告されています。

治療法

治療は腫瘍の良性・悪性、病期に応じて決定されます。外科的切除が第一選択で、腫瘍と周囲組織を広範囲に摘出します。進行例では機能保存が困難なため、四肢切断が必要になることもあります。放射線療法は単独で用いられることは少なく、手術と併用されることが一般的です。悪性例に対しては化学療法が有効とされ、特に小児では成人に比べ化学療法の効果が高いと報告されています。

留意点

成人と小児では症状や治療反応に差があり、小児は化学療法に対して比較的良好な結果が得られやすいです。希少疾患であるため、大規模な臨床試験はほとんど実施されておらず、個別化医療が重要となります。