膵臓がんの予後と平均余命
膵臓がんはがん死亡原因の第4位を占めます。膵臓は消化酵素とインスリンなどのホルモンを分泌し、糖代謝を調整する重要な臓器です。がんは膵臓の組織に発生し、急速に拡がりますが、症状は進行するまで現れにくく、早期発見が困難です。膵臓自体を切除できないため、主な治療は放射線療法、化学療法、分子標的薬です。
膵臓がんステージングシステム
膵臓がんの発症リスクは約1/76(1.3%)です。全体のリスクは低いものの、診断が遅れるケースが多く、死亡率が高くなります。がんが診断されたステージは治療方針と余命予測に直結します。
米国がん協会(AJCC)が定めたTNM分類が広く用いられています。T(腫瘍の大きさ)、N(リンパ節転移の有無)、M(遠隔転移の有無)の3要素で構成され、数字や文字が付加されることで詳細が示されます。
T, N, M の意味
- T(Tumor):腫瘍のサイズ(センチメートル)と膵臓内への浸潤度を示します。
- N(Nodes):近傍リンパ節への転移の有無を示します。
- M(Metastasis):遠隔転移の有無を示し、肝臓・肺・腹膜などが主な転移先です。
数値とステージの関係
各項目の後に付く数字や文字はがんの進行度をさらに細かく表します。
- 0〜4 の数字は重症度を示し、数字が大きいほど進行が進んでいます。
- 「X」は評価不能を意味します。
- 「is」は腫瘍が膵管上皮の表層にとどまっていることを示します。
これらの情報を総合してステージが決定され、ステージは I から IV まであります。
- Stage 0 (Tis, N0, M0)
- Stage IA (T1, N0, M0)
- Stage IB (T2, N0, M0)
- Stage IIA (T3, N0, M0)
- Stage IIB (T1‑3, N1, M0)
- Stage III (T4, 任意の N, M0)
- Stage IV (任意の T, 任意の N, M1)
ステージ別生存率
膵臓がん患者の5年生存率はステージにより大きく異なります。
- Stage IA:37%
- Stage IB:21%
- Stage IIA:12%
- Stage IIB:6%
- Stage III:2%
- Stage IV:1%
全体的な余命とリスク要因
診断後1年以上生存できる患者は約20%、5年以上生存できる患者は4%未満です。膵臓がんのリスク要因としては、肥満、喫煙、家族歴、加齢、そして人種(特にアフリカ系アメリカ人)などが挙げられます。
