|  | 健康と病気 >  | がん | 膵がん

膵臓摘出後に起こる体の変化とは

消化障害

膵臓はアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼといった消化酵素を小腸へ分泌し、炭水化物・たんぱく質・脂質の分解を助けます。膵臓がなくなると酵素が供給されず、食物からの栄養吸収が著しく低下し、吸収不良や栄養失調が起こります。酵素補充剤を使用しても、特に脂肪の吸収は完全には回復しません。


糖尿病の発症

膵臓はインスリンとグルカゴンという血糖調節ホルモンも産生します。インスリンは血糖を下げ、グルカゴンは血糖を上げる役割を持ちますが、膵臓を除去するとこのバランスが崩れ、1型糖尿病や膵臓性糖尿病(膵臓摘出後糖尿病)となります。血糖管理はインスリン注射、食事療法、適度な運動によって行う必要があります。


外分泌不全

膵臓の外分泌機能が失われると酵素の産生が止まります。その結果、慢性的な下痢や大便がかさばり、臭いが強くなるなど、未消化の食物が腸内に残る症状が現れます。酵素置換療法で必要な酵素を補給すれば、これらの症状は緩和されます。


栄養失調

消化障害とホルモンバランスの乱れが重なり、十分に食事を取っていてもビタミン・ミネラル・必須脂肪酸などの吸収が不十分になります。体重減少、倦怠感、筋力低下などが典型的な症状です。


感染症リスクの増加

酵素不足により腸内に未消化の食物が残りやすく、病原菌の繁殖温床となります。頻繁な下痢は脱水や電解質異常を招くため、注意が必要です。


長期的な健康問題

膵臓摘出は腎臓病、骨粗鬆症、心血管疾患、さらには特定のがんリスクの上昇といった合併症のリスクを高めます。定期的な検査と早期発見・治療が重要です。


生活と医療管理のポイント

膵臓がない状態で健康を保つには、消化酵素の補充、インスリン治療、栄養バランスの取れた食事、定期的な医師のフォローアップが不可欠です。消化器内科、内分泌科、栄養士など専門家と連携し、適切な管理を行いましょう。

膵がん - 関連記事