膵臓切除とは?
膵臓切除(pancreatectomy)は、膵臓の一部または全体を外科的に除去する手術です。膵臓は腹部に位置する腺組織で、消化酵素やインスリン・グルカゴンといった血糖調整ホルモンを分泌します。
膵臓切除の種類
1. 全膵切除(Total Pancreatectomy)
膵臓全体を除去します。膵臓の重要な機能を失うため、絶対的に必要なケース以外は稀に実施されます。糖尿病や消化障害などの合併症が生じやすいです。
2. 部分膵切除(遠位膵切除:Distal Pancreatectomy)
膵臓の尾部と体部を切除し、頭部は残します。尾部・体部に病変がある場合に選択されます。
3. 膵頭十二指腸切除(Whipple手術)
膵臓の頭部、十二指腸、胆嚢を除去し、消化管を再建します。膵臓癌や周辺腫瘍の治療に最も一般的です。
膵臓切除が行われる主な理由
1. 膵臓癌:腫瘍を根治的に除去するため。
2. 慢性膵炎:薬物・内視鏡治療で改善しない重度の炎症。
3. 外傷・損傷:腹部外傷で膵臓が損傷した場合の修復。
4. 先天性奇形や胆管閉塞:膵管の閉塞や奇形の外科的矯正。
手術に伴うリスク・合併症
・出血
・感染症
・膵瘻(膵液漏)
・インスリン産生細胞の喪失による糖尿病
・酵素不足による消化障害、吸収不良、栄養欠乏
術後の管理とケア
手術後は数日間入院し、出血や感染、膵瘻の有無をモニタリングします。長期的には以下が必要です。
・酵素補充療法(膵酵素製剤)
・インスリン療法(糖尿病が発症した場合)
・食事指導(低脂肪・消化しやすい食事への調整)
膵臓切除は大きな手術ですが、適応疾患に対しては生命を救い、症状を大幅に軽減する効果があります。
