前立腺がん治療における放射性シード療法(TheraSeed)
前立腺がんは男性に最も多く診断されるがんです。定期的な検査で早期に発見することが重要です。幸いにも前立腺がんは通常、増殖が遅い悪性腫瘍であり、早期治療により高い治癒率が期待できます。腫瘍の周囲に放射性シードを埋め込む内部照射(ブラキセラピー)は、最も効果的な治療法の一つとされています。
TheraSeedとは
TheraSeedはTheragenics社が独自に製造する放射性シードです。未調理の米粒大のサイズで、チタン製のシードケースにパラジウム‑103(Pd‑103)ペレット2個と、X線・超音波で可視化できる鉛マーカーが封入されています。シードは溶接された凹形エンドキャップを持つチタンチューブで、予測可能な放射線パターンを実現し、前立腺内に固定されたまま移動しません。
埋め込み手術の手順
TheraSeedは長いブラキセラピー用針に装填し、経会陰部から前立腺へ挿入します。手術とは異なり低侵襲で、ガイドテンプレートで正確な位置決めを行い、経直腸超音波でシードの配置を確認します。腫瘍の周囲に20本から100本以上のシードを配置し、がん細胞に高線量の放射線を照射しつつ、正常組織への影響を最小限に抑えます。シードは体内に永続的に残りますが、放射能は時間とともに減衰します。
放射能に対する懸念
放射性物質が体内に埋め込まれることへの不安は当然です。TheraSeedに使用されるPd‑103は低エネルギーの放射性同位体で、半減期は17日です。したがって、放射能は約170日(10半減期)で背景レベルまで低下し、6か月以内に腫瘍は治療され、残存放射能はほとんどありません。また、低エネルギーであるため正常組織への影響も極めて少ないです。
治癒率
独立した臨床試験によると、TheraSeedの治癒率は手術と同等、あるいはそれ以上です。治療を受けた患者の84.5%が9年後もがんが再発せずに生存しています。
手術との比較でのメリット
TheraSeed(内部照射)は、従来の開腹またはロボット支援前立腺全摘出術と比べていくつかの大きな利点があります。失禁や勃起不全のリスクが大幅に低く、手術時間は約45分で外来で実施できることが多く、回復期間も短いです。治療後3年以内に長期的な合併症が起きる確率はほぼ0%と報告されています(Peschelら)。
まとめ
以上のように、TheraSeedは低侵襲で高い効果を持つ前立腺がん治療の選択肢として、患者の生活の質を保ちながら確実な腫瘍制御が期待できます。
