前立腺がんの基礎知識と治療選択
がんの診断は不安を伴いますが、前立腺がんは早期に発見すれば高い治癒率が期待できます。本稿では前立腺がんの特徴、診断、治療法、そして治療選択時のポイントを解説します。
機能
前立腺がんは前立腺の細胞に生じる悪性腫瘍です。一般的に増殖は緩やかで、前立腺内にとどまることが多く、症状が出にくいのが特徴です。前立腺の外へ転移すると生命に関わるリスクが高まります。
診断
初期段階では自覚症状がほとんどないため、定期的な身体検査が重要です。医師は直腸指診で前立腺の硬さやしこりを確認し、血液検査(PSA)で前立腺特異抗原の濃度を測定します。指診で腫瘤が触れ、PSAが上昇している場合、がんの可能性が高くなります。必要に応じて前立腺生検や超音波検査で確定診断を行います。
治療
主な治療法には以下があります。
- 外部ビーム放射線療法:高エネルギーX線でがん細胞を破壊。
- 内部放射線治療(ブラキセラピー):放射性シードを前立腺内に埋め込み、局所的に放射線を照射。
- ホルモン療法:テストステロンの供給を抑制し、がんの増殖を阻害。
- マイクロ波や高強度焦点超音波(HIFU):熱エネルギーでがん組織を破壊。
- 前立腺全摘術:外科的に前立腺を除去。
考慮すべき点
前立腺内にとどまっている限り、がんは致命的ではありません。そのため、局所限定型の患者には「経過観察(ウォッチフル・ウェイティング)」が選択されることがあります。治療に伴う副作用(失禁や勃起不全など)が生活の質に大きく影響することがあるため、リスクとベネフィットを慎重に比較します。
専門家の見解
前立腺がんは50歳以上の男性に多く見られます。予防的に50歳以上の男性は年に一度の前立腺検査を受けることが推奨されます。早期に発見すれば治療は比較的容易ですが、転移が起こると治療が難しくなります。最新の治療装置は前立腺を的確に狙い、周囲組織へのダメージを最小限に抑えることで、副作用リスクを低減しています。
