症状

最も一般的な症状は首の前部にしこりができることです。声がかすれる、リンパ節が腫れる、呼吸や嚥下が困難になることもあります。これらの症状がある場合は速やかに医師の診察を受けましょう。なお、これらは良性腫瘍など他の疾患でもみられることがあります。

がんの進展度の評価

甲状腺乳頭癌と診断されたら、医師はがんの拡がり具合を評価します。甲状腺は左右の葉と峡部(アイスツマス)から構成され、がんは片方の葉、葉と峡部、あるいは全体に及ぶことがあります。50%以上の症例で近傍のリンパ節にも転移が認められます。進展度が分かれば、外科的切除が計画されます。

手術

手術の選択は腫瘍の大きさに左右されます。腫瘍径が1.3センチ(約0.5インチ)以下で、リンパ節転移がない場合は、病変側の葉と峡部のみを切除する(部分甲状腺切除)ことが多いです。腫瘍がそれ以上大きい、またはリンパ節転移がある場合は全摘出(全甲状腺切除)を検討します。全摘出は副甲状腺や喉頭神経への損傷リスクがあるため、必要性は慎重に判断されます。手術内容については担当医と十分に相談してください。

放射性ヨード治療(RAI)

手術後に残存甲状腺組織や微小転移を除去する目的で、経口放射性ヨード(I-131)を投与することがあります。腫瘍が大きい、またはリンパ節転移があった場合に適応されることが多いです。治療の有無は医師が術後の病理結果やリスクを総合的に評価して決定します。

薬物療法

甲状腺全摘出後は甲状腺ホルモンが不足するため、生涯にわたってレボチロキシン(シンセロイド、レボスロイドなど)を服用します。これによりホルモンバランスを維持し、残存甲状腺組織の癌再発リスクを低減します。