ADD(注意欠陥障害)の主な薬剤の種類と特徴
刺激薬(メチルフェニデート)
メチルフェニデートは最も一般的に処方されるADD薬で、ドーパミンとノルエピネフリンの濃度を上げ、注意力と動機付けを高めます。主な商品名はコンシータ(Concerta)、リタリン(Ritalin)、デイトラナ(Daytrana)です。コンシータとリタリンは錠剤、デイトラナは皮膚貼付剤です。効果として集中力の向上、注意散漫の抑制、衝動性の軽減が期待できますが、睡眠障害、食欲減退、イライラ、気分変動、頭痛、めまいなどの副作用が報告されています。
アンフェタミン系薬剤
アンフェタミンもドーパミンを増加させ、集中力を高めます。代表的な薬はアデロール(Adderall)とアデロールXR(徐放性)で、4種類のアンフェタミン塩を含みます。デキストロアンフェタミンは単剤で短時間作用型、デソキシンはメタンフェタミンの徐放性製剤ですが、依存性の懸念から使用はまれです。副作用は胃腸障害、落ち着きのなさ、心拍数増加、イライラ、不安などです。
非刺激薬(アトモキセチン)
ストラテラ(Strattera、一般名:アトモキセチン)はFDA承認の唯一の非刺激薬です。ノルエピネフリンの濃度を上げ、注意力と集中力を改善します。軽度のうつや不安を併発している患者にも適しています。効果は長時間持続し、朝の動機付けが低い人に有効です。主な副作用は疲労感、頭痛、腹痛、吐き気、勃起障害、興奮、最悪の場合自殺念慮です。
抗うつ薬(ブプロピオン)
ADDと併発するうつ症状がある場合、複数の神経伝達物質を調整する抗うつ薬が有効です。ウェルブトリン(Wellbutrin、一般名:ブプロピオン)はセロトニン、ノルエピネフリン、ドーパミンを増加させます。注意力は改善しますが、衝動性の抑制効果は刺激薬に劣ります。副作用は落ち着きのなさ、興奮、不眠、頭痛、胃腸症状などです。
血圧降下薬(クロニジン・グアンファシン)
血圧薬はADDに加えて顔面チック、攻撃性障害、トゥレット症候群の患者にも用いられます。クロニジン(商品名:カタプレス)やグアンファシン(商品名:テネックス)は刺激薬と併用すると効果が高まります。主に衝動性や攻撃性のコントロールに有効ですが、注意力改善には限定的です。副作用は鎮静感と徐脈です。
服薬時の留意点
薬物療法は注意力や衝動性の改善に役立ちますが、ADDを根本的に「治す」薬はありません。カウンセリングや認知行動療法と併用することが推奨されます。また、薬の効果は個人差が大きく、最適な薬剤と用量を見つけるには時間と忍耐が必要です。
