なぜアレルギーは増加しているのか?

研究によると、アレルギーの罹患率は世界的に上昇しています。米国では、1985年から1995年にかけて花粉症(アレルギー性鼻炎)の患者数が31%増加し、2001年から2005年の間にさらに約3分の1増えました。また、1997年から2002年にかけてピーナッツアレルギーを持つ子どもの数は倍増し、牛乳や魚介類に対する食物アレルギーも急速に増加しています。

ルイジアナ州立大学医学部の小児科・内科学教授でアレルギー免疫学部門長のサミ・L・バーナ博士は「食物アレルギーだけでなく、すべてのアレルギーが増えている」と指摘しています。では、なぜこのような現象が起きているのでしょうか。主に二つの仮説が提唱されています。

アレルゲン曝露仮説

生活環境での曝露

アレルゲンに多く曝露されるほど、アレルギーになるリスクが高まると考えられています。先進国の都市部では、屋内で過ごす時間が増え、ペットのフケやダニが多く存在するため、アレルギーの発症が増加しています。

幼少期の曝露

幼少期にアレルゲンに触れることが、11歳までにアレルギーや喘息を発症するリスクを高めるとする研究があります(ただし、猫のフケに関しては例外的な結果も報告されています)。

衛生仮説

不衛生な環境と免疫発達

工業化が進んだ国では、清潔すぎる生活環境が免疫システムの適切な発達を妨げているとする説です。ウイルスや細菌、真菌、寄生虫への曝露が減少すると、免疫は「攻撃すべきものがない」と判断し、過敏に反応しやすくなると指摘されています。

幼少期の感染とアレルギーリスク

幼少期に感染症を経験した子どもは、後年にアレルギー反応を起こしにくいという研究結果があります。寄生虫感染が一般的な地域では、成人の花粉症や喘息の発症率が低く、麻疹に罹患した人も年齢とともにアレルギーが少ない傾向にあります。ただし、貧困層の都市部でアレルゲンへの曝露が多いにもかかわらず高いアレルギー率が見られる点は、衛生仮説だけでは説明できません。

遺伝的要因の可能性

遺伝子がアレルギー発症に関与している可能性も指摘されています。親から受け継ぐ遺伝子がアレルギー体質を高めるという研究はありますが、決定的な結論を出すにはさらなる調査が必要です。

以上のように、アレルギー増加の背景には環境要因、生活習慣、免疫発達の変化、遺伝的素因が複合的に関与していると考えられます。

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