大動脈瘤手術における合併症と対策
大動脈瘤は、心臓から全身へ血液を運ぶ大動脈が弱くなり、血液が漏れ出したり破裂したりする危険な状態です。ほとんど症状が出ないため、腹部超音波検査や胸部X線で偶然に発見されることが多く、サイズや部位に応じて治療が検討されます。
大動脈瘤とは?
- 大動脈は心臓から腹部まで伸びる主要血管です。
- 血管壁が弱くなると血液が漏れ、破裂すると即死につながります。
- 主なリスク要因:喫煙、高血圧、動脈硬化、60歳以上、男性、白人。
- 症状が出ることは稀ですが、背部痛、腹部や胸部の圧痛、脈打つ感覚が現れることがあります。
手術による治療
- すべての大動脈瘤が手術を要するわけではなく、直径55mm未満で成長が緩やかなものは経過観察が選択されます。
- サイズが大きい、または増大速度が速い場合は手術が推奨されます。
- 手術方法は大きく分けて「開腹手術」と「血管内手術(ステントグラフト)」があります。
手術関連死亡率
- 薬物療法で血圧を管理する場合の死亡リスクは約10%です。
- 手術を受けた場合の死亡リスクは約30%と報告されています。これは手術が必要とされるケースが重症であることが要因です。
開腹手術の合併症
- 大きな胸骨切開による創部感染リスク。
- 稀に下半身の麻痺が起こることがあります(特に緊急手術時)。
血管内手術の合併症
- ステントグラフトからの漏れ(エンドオリック)が最も一般的な問題です。
- 重度のエンドオリックは再手術が必要になることがあります。
共通の合併症
- 手術後の腫脹、呼吸器感染、尿路感染。
- 心拍不整(不整脈)。
- 男性では、神経損傷により勃起障害や逆行性射精が起こることがあります。
