尺骨神経損傷がもたらす影響とは?

尺骨神経(尺骨神経障害)は、損傷の程度や部位に応じてさまざまな症状を引き起こします。

1. 筋力低下・萎縮

尺骨神経は手と前腕の複数の筋肉(指の屈曲、手首伸展、握力など)を支配しています。神経が損傷すると、これらの筋肉が弱くなり、萎縮が進むため、手の機能が低下します。

2. 感覚障害

尺骨神経は小指全体と薬指の外側半分、そしてそれらの指先に近い掌側の感覚を担います。損傷により、しびれ、チクチク感、あるいは感覚の消失が起こります。

3. 爪形手(クローハンド)変形

重度の神経障害では、指屈筋が麻痺し、筋力のバランスが崩れるため、指が爪のように曲がった姿勢(爪形手)になります。

4. 書字や細かな作業の困難

握力低下と感覚障害により、文字を書く、ボタンをはめる、小さな物をつかむといった日常的な動作が困難になります。

5. フロメント徴候(Froment’s sign)

紙を親指と人差し指で挟むテストです。尺骨神経が損傷していると、指屈筋が弱いため紙を保持できず、代償的に母指球筋が過度に働きます。

6. ワーテンベルク徴候(Wartenberg’s sign)

小指を外転させるテストです。神経障害があると小指が薬指側へ引き寄せられ、外転が不十分になります。

治療法

軽度の場合は、スプリントや理学療法、疼痛緩和の薬物療法で症状を管理します。症状が進行したり、圧迫が原因の場合は、神経の減圧や修復を目的とした手術が必要になることがあります。尺骨神経障害が疑われたら、早期に専門医の診察を受けることが重要です。

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