計量用量吸入器(MDI)の利点と注意点
計量用量吸入器(MDI)は、加圧されたカートリッジからエアロゾルを噴射し、肺へ直接薬剤を届けるハンドヘルド型の吸入装置です。喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に広く用いられ、主に気管支拡張薬やステロイドが使用されます。コンパクトで持ち運びやすく、即効性がある点が特徴です。
メリット
低コストで効果的に症状を緩和できる。
使用が簡単で、吸入開始からすぐに呼吸困難を改善できる。
本体は小型で携帯に便利。金属カートリッジはプラスチックで覆われており、破損しにくい。
デメリット
酸素併用のネブライザーに比べ、薬剤の届き方が劣ることがある。
特に小児では服薬遵守が課題となりやすい。
吸入と同時にボタンを押す操作が難しく、誤った吸入方法では口や喉に薬が残る恐れがある。
正しい使用方法
使用前にデバイスをしっかり握り、口元を下に向けてよく振ってから吸入する。
開放口吸入(口から約5cm離す)または密閉口吸入(口をしっかり閉じる)を選択し、息を吐き出した後に頭をやや後ろに傾ける。
ボタンを押しながらゆっくり深呼吸し、吸入後は10秒ほど息を止めてから通常の呼吸に戻す。
スペーサー装置の活用
スペーサーはMDIに取り付けるプラスチック製チューブで、吸入口として機能する。
薬剤がスペーサー内に滞留し、患者がゆっくりと吸い込む時間を確保できるため、特に乳幼児や小児の吸入効率が向上する。
使用上のポイント
鏡の前で吸入手順を確認し、口や鼻からミストが出ていないかチェックする。ミストが見える場合は肺へ届いていないサイン。
吸入が難しい場合は、他タイプの吸入器(ドライパウダー吸入器など)を医師に相談する。
吸入時に両手でデバイスを握ると安定しやすい。
定期的に本体を清掃し、薬剤が詰まらないようにする。
薬剤は目に入ると危険なので、使用後は手をよく洗う。
処方された用量・服用時間を守り、過剰使用を避ける。
