喘息の遺伝的要因

影響を受けやすい集団

喘息は都市部や裕福な層で罹患率が高い傾向がありますが、遺伝的要因も強く関係しています。西欧の都市に住む白人は、アフリカ系・カリブ系の人々に比べて喘息の発症率が低いことが報告されています。

しかし、遺伝だけで説明するのは難しく、アフリカ系・カリブ系の人々は都市部でも貧困環境に置かれることが多いため、環境要因も影響しています。裕福な都市住民は農村部の貧しい人より喘息リスクは高いですが、貧しい都市住民ほどリスクは高くなる傾向があります。したがって、人種と喘息の相関は必ずしも因果関係ではありません。

家族間のつながり

上記の懐疑的な見方がある一方で、喘息には強い家族性が認められます。世界保健機関(WHO)の研究者は、喘息は遺伝要因と環境要因がほぼ同等に寄与すると結論付けました。

この結論は、喘息患者集団の遺伝子解析に基づき、5つの遺伝子や遺伝子複合体が「喘息関連遺伝子」として同定されたことから導かれました。

治療への展望

遺伝的要因が明らかになったことで、遺伝子を標的とした治療法の研究が進んでいます。2010年時点では、喘息関連遺伝子は主に診断指標として利用されていましたが、科学の進展に伴い、症状を抑えるだけでなく、発症リスク自体を低減させる治療が期待されています。もし対象遺伝子を変異させたり除去できれば、吸入薬やステロイドの使用頻度は大幅に減少する可能性があります。

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