効果
個人差はあるものの、ビタミンB6とマグネシウムの併用は自閉症の子どもたちの言語能力、注意持続、睡眠の質を改善することが報告されています。また、自己刺激行動やイライラ感の軽減にもつながります。これらは、ビタミンB6・マグネシウムに加えて他のミネラルやビタミンが相乗的に代謝を助ける「メガビタミン療法」の一環です。
歴史
1966年、神経学者A.F. Heeley と G.E. Roberts が自閉症児19人のうち11人が代謝産物のバランスを取るためにビタミンB6を必要としていることを報告しました。
1970年代、オートマ研究所創設者の Bernard Rimland 医師は200人以上の自閉症児を対象にビタミンB6を含む複数のビタミンを投与し、4か月後に30〜40%の子どもが症状改善したと発表しました。この際、マグネシウムがビタミンB6の副作用(音に対する過敏性や夜間の尿失禁)を緩和することも確認されました。
最新の研究成果
1999年、オーストラリア・スウィンバーン大学の J.N. Hopkins 氏は二重盲検プラセボ試験を実施し、ビタミンB6投与群の61%が症状改善を示したと報告しています。
2005年には、Rimland 医師と Autism Research Institute の Stephen Edelson 監督が5,780人(子ども・成人)を対象に大規模調査を行い、ビタミンB6とマグネシウムの併用が47%の被験者に有益だったことが明らかになりました。
作用機序
ビタミンB6は体内でピリドキサールリン酸(PLP)に変換され、ドーパミン合成を促進します。ドーパミンは手をひらひらさせるなどの反復行動に関与すると考えられ、ビタミンB6は間接的にこれらの行動を調整する可能性があります。
マグネシウムは過剰なビタミンB6摂取による副作用を抑えるだけでなく、神経を落ち着かせる効果が知られています。
有効性の評価
Heeley と Roberts の研究が示すように、一部の自閉症患者は代謝産物の異常にビタミンB6依存性があります。シアトル大学の Seth Friedman 博士によると、自閉症児はミオイノシトール、N-アセチルアスパラギン酸、クレアチンといった代謝産物が低下していることが多いです。ビタミンB6はこれらの代謝経路を正常化し、成長・発達に関わる代謝全般をサポートします。
しかし、全ての患者が改善するわけではなく、臨床試験では概ね40〜60%が何らかの効果を示しています。
注意点・使用上のアドバイス
治療開始前に必ず医師と相談してください。適切な用量は年齢、体重、食事内容、個々の代謝状態により異なります。適正な用量が決まったら、ドラッグストアや健康食品店でビタミンB6とマグネシウムを入手できます。体はビタミンB6とマグネシウムを必要としているため、適切な量であれば比較的安全なサプリメントと言えます。
